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ASIC・カスタムLSI受託開発 · 用途別

少量・試作だけのASIC・カスタムIC開発|100個程度・試作1個から頼める会社と費用を抑える方法【2026年版】

ASICは大量生産のものと思われがちですが、少量や試作だけの開発に対応する会社もあります。掲載会社の公式情報から、少量に対応する会社、シャトルやマスタースライスなどの方法、注意点を整理しました。

公開 2026年10月1日

産業機器、計測器、医療機器のように、年間の生産数が数百から数千個の製品は少なくありません。こうした数量でも、カスタムICを作る方法はあります。

この記事では、少量や試作だけの開発を公式に案内している会社と、費用を抑える方法をまとめます。

少量・試作に対応を明記している会社

まず、公式サイトで少量や試作だけへの対応を書いている会社を一覧にします。

会社公式記載
東芝情報システムアナログICは100個程度から。試作品だけでも開発可能
内藤電誠工業試作1個からのカスタムIC開発。大手IDMが対応しない少量・多品種に対応
三栄ハイテックス少量生産品や試作品のみの製造にも対応
TOPPANテクニカル・デザインセンターテスト開発を含めた少量生産品および試作のみも対応
DNPエル・エス・アイ・デザイン各ベンダーとの長年の関係により少量生産にも対応可能
NECプラットフォームズ海外ベンダとの連携で少量生産にも対応。MOQは相談
シリコンアーティストテクノロジー少量試作から量産チップの供給まで
日清紡マイクロデバイス少量生産からFAB移管まで対応

このうちアナログ・ミックスドシグナルを中心にしているのが、東芝情報システム、内藤電誠工業、三栄ハイテックスです。デジタル回路を少量で作りたい場合は、ゲートアレイの選択肢も含めて相談してください。

少量で費用がかかる理由

ASICの費用は、数に関係なくかかる初期費用が大きいのが特徴です。数が少ないと、初期費用が1個あたりに重くのしかかります。

  • 設計と検証にかかる人件費
  • マスクの製作費
  • 試作のウェハ代とパッケージ代
  • テストプログラムと治具の開発費

少量で作るなら、この初期費用をどう抑えるかが鍵になります。以下で、掲載会社が案内している方法を見ていきます。

マスクを共有するシャトルとMLM

試作の費用を下げる代表的な方法が、複数の設計を同じマスクに載せるシャトルサービスです。

会社公式記載
DNPエル・エス・アイ・デザインTSMC CyberShuttleの国内窓口。レチクルに複数のデザインを載せて低価格で試作。12nm〜0.35um
シリコンアーティストテクノロジーフォトマスクメーカーとの連携によるMLMサービスでの試作。GF、UMCなどのシャトルにも対応
東芝情報システム低コストでLSIの試作が可能なシャトルサービス

DNPエル・エス・アイ・デザインのシャトルは、日程が半年ごとに開示され、価格はチップの面積と数量で決まります。日程に合わせて設計を終える必要があるので、スケジュールを逆算して計画してください。

配線層だけ作る方法

トランジスタまで作り込んだ共通の下地を使い、配線層だけを専用に作る方法も、少量向けです。

  • 日清紡マイクロデバイス アナログマスタースライス: 40V耐圧バイポーラ。レイアウト設計完了からES納品までおよそ4週間。ウェハ、ベアチップで納品
  • セイコーエプソン ゲートアレイ: 電源、信号配置を自由に設定できる。0.35umで5V単一電源のシリーズも
  • NECプラットフォームズ: 0.35um/0.5umのゲートアレイを海外(台湾)ベンダ経由で。成熟したプロセスならリーズナブルにASICを実現できると説明

下地が決まっている分、使える素子の数や種類には制限があります。回路の規模がその範囲に収まるかを、最初に確かめてもらってください。

納品の形で費用を調整する

パッケージに入れずにウェハやベアチップで受け取れば、組立の費用を抑えられる場合があります。納品の形について公式に書いている会社を挙げます。

  • 三栄ハイテックス: ウエハー、ベアチップ、パッケージなど希望の形態で納品
  • 日清紡マイクロデバイス: アナログマスタースライスはウェハ、ベアチップでの納品(PCMデータ添付)
  • 内藤電誠工業: QFN、QFP、DIP、SHDIPなどを自社で製造

ベアチップで受け取る場合は、自社やモジュールの組立先で実装できるかを確かめてください。パッケージ品が必要なら、自社でパッケージを製造している会社が話をまとめやすくなります。

試作だけ作るときの注意点

研究開発や評価のために、量産を前提にせず試作だけを作ることもできます。その場合に確かめたい点を挙げます。

  1. 試作品のテストをどこまで行うか(シャトルではチップごとのテストを行わない場合がある)
  2. ダイシングやバンプなどの追加加工が有償か
  3. 同じ設計で追加の試作を頼めるか、その期限
  4. 将来量産に移るときに、同じプロセスで続けられるか

DNPエル・エス・アイ・デザインのシャトルでは、チップごとのテストは行わず、ダイシングやバンプは有償、6ヶ月以内ならリピートオーダーができると書いています。条件は会社とサービスで違うので、見積の段階で確認してください。

試作から量産へ移るときの道筋

試作だけのつもりで始めても、評価が良ければ量産に進むことがあります。そのときに同じ会社で続けられるかを、最初に見ておくと手戻りが減ります。

会社試作から量産までの公式記載
東芝情報システムコンサルティングからウェハー供給、試作品供給、信頼性保証、量産品供給まで一貫
三栄ハイテックス試作から少量生産、そして量産まで一貫してサポート
シリコンアーティストテクノロジー設計サポートから少量試作、量産チップの供給までワンストップ
TOPPANテクニカル・デザインセンター量産立上げ(テスト開発や信頼性試験)以降、量産管理のみの依頼も受付

試作をシャトルで行い、量産は専用マスクで行う場合は、プロセスがそろっているかが大事です。試作と量産で同じファウンドリ・同じプロセスを使えるかを確かめてください。

自社に合う相手のタイプ

少量開発の相手は、自社に何があるかで変わります。目安を整理します。

  • 回路設計もできない、試作から量産まで任せたい → ターンキーの会社(東芝情報システム、内藤電誠工業、三栄ハイテックスなど)
  • 自社で回路を設計できる、アナログで短期間に試したい → 日清紡マイクロデバイスのアナログマスタースライス
  • 大学や研究所で、まず動くチップを作りたい → シャトルを扱う会社(DNPエル・エス・アイ・デザイン、シリコンアーティストテクノロジー)
  • 古いデジタル部品の置き換えで数が少ない → ゲートアレイを扱う会社(セイコーエプソン、NECプラットフォームズ)

少量ならではのリスク

少量のカスタムICは、作る側にとって利益が出にくい仕事でもあります。長く使う製品では、次の点を契約前に確かめてください。

  • 最小発注数量(MOQ)と、追加生産のたびに必要な数
  • ファウンドリやパッケージの都合で生産が終わるときの通知の時期
  • ウェハで在庫を持ってもらえるか

NECプラットフォームズは、海外少量生産の規模では国内ASICベンダに引き受けてもらえないという課題に応える形でターンキーを案内しています。窓口となる会社が責任を持つ範囲を、書面で確かめておくと安心です。

少量開発の相談の仕方

少量の相談では、数量の見込みを正直に伝えることが一番の近道です。次の情報をそろえて問い合わせてください。

  1. 年間の数量と、何年作り続けるか
  2. 試作だけか、量産まで見込むか
  3. アナログかデジタルか、回路の規模
  4. 納品の形(ウェハ、ベアチップ、パッケージ品)
  5. 予算の上限と希望時期

数量が少なくても、方式やプロセスの選び方で費用は大きく変わります。複数の会社に同じ条件で相談し、提案される方式の違いも比べてください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

何個から作ってもらえますか?

会社によって違います。東芝情報システムはアナログICを100個程度から、内藤電誠工業は試作1個からのカスタムIC開発を掲げています。三栄ハイテックスとTOPPANテクニカル・デザインセンターは試作のみにも対応すると書いています。

試作の費用を抑える方法はありますか?

複数の設計でマスクを共有するシャトルやMLMがあります。DNPエル・エス・アイ・デザインはTSMC CyberShuttle、シリコンアーティストテクノロジーはMLMサービスやGF・UMCなどのシャトルを案内しています。

短期間でアナログICの試作品を手にする方法は?

日清紡マイクロデバイスのアナログマスタースライスは、素子形成済みのウェハの配線層だけを作る方式で、レイアウト設計完了からES納品までおよそ4週間です。

【用途別】ASIC・カスタムLSI受託開発おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

センサー・電源・ドライバのアナログICを、試作から量産まで一社で

内藤電誠工業株式会社

試作1個からのカスタムIC開発。アナログ・ミックスドシグナルのターンキーで、パッケージも自社で製造

LSI設計事業部がターンキーサービスと受託設計サービスを提供し、アナログIC、ミックスドシグナルICの設計経験、大手IDMが対応しない少量・多品種への対応、国内自社リソース・自社設備による開発を特長に挙げる。国内外の複数のファウンドリのCMOS、高耐圧CMOS、Opto、Bipolar、SOIに対応し、QFN、QFP、DIPなどのパッケージを自社で製造する。ターンキー製品として680万個以上の量産出荷を公式に記載。

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2

量産中のFPGAを、基板を変えずにASICへ置き換えるなら

株式会社メガチップス

既存のFPGA資産からASICへ転換。ピンコンパチブル対応でボード修正を不要に(対応できない場合あり)

FPGA・ASIC転換のページで、量産数量が多い場合にFPGAがASICより割高になることと、FPGAでは低消費電力設計ができず熱対策が必要になる場合があることを転換の判断材料に挙げる。既存のFPGA資産と要望をヒアリングして転換方法を提案し、論理シミュレーションを同社が担当することも可能。ボード設計が終わっている場合はFPGAとピンコンパチブルにして基板の修正を不要にできるとする。

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3

論理設計・RTLtoGDS・アナログを工程単位で頼み、試作・量産までつなげるなら

株式会社DNPエル・エス・アイ・デザイン

0.35um〜16nmのRTLtoGDS実績、アナログ/MixedSignal設計、TSMCシャトル試作、少量にも対応するターンキー

SoC/ASIC設計、RTLtoGDS設計、アナログ/MixedSignal設計の3つの設計受託を用意し、RTLtoGDSではTSMC、UMCほかFabで0.35um〜16nmの対応実績と100MGate超のデザイン実績を記載。DNPがTSMC CyberShuttleのパートナーとして提供する試作では12nm〜0.35umが使え、LSIターンキーサービスは仕様検討から量産までを扱い、少量生産にも対応可能とする。

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