ベンディングロール · 用途別
ダクト・小型タンク胴など円筒を量産するベンディングロール|4本ロールの1工程化と条件のくり返し
ダクトの胴や小型タンク、フィルター外筒など同じ径の円筒を量産したい工場向けに、アイセル(BS-B)・MIYAi(AutoRoller)・エスカディアの4本ロール、大同マシナリーのティーチング、送り速度と取り出し機構を公式情報で比べます。
ダクトの胴、フィルターの外筒、小型タンクの胴のように、同じ径の円筒をたくさん曲げる仕事では、1本あたりの時間と仕上がりのそろい方が利益を決めます。
このページでは、小径〜中径の円筒を量産したい工場向けに、端曲げを含めて1工程で仕上げる機種や、条件をくり返せる機種を公式情報で比べます。
量産に向く機能と公式の機種
| 機能 | 量産での利点 | 公式に載っている例 |
|---|---|---|
| 4本ロールで1工程 | 端曲げのためにプレスへ運ぶ工程がなくなる | アイセル BS-B、MIYAi MR-S、エスカディア SRF-55 |
| 条件のくり返し | 段取り替えが早く、仕上がりがそろう | アイセル BS-B(ダイヤル式セットメーター)、MIYAi(プリセット・ティーチング)、大同マシナリー(ティーチングプレイバック) |
| 自動運転 | 作業者の技能に左右されにくい | MIYAi AutoRoller、栗本鐵工所 CNC |
| 端曲げ量産対応の2本ロール | 薄板の小物を速く曲げる | エスカディア SRT |
| ライン化 | 曲げから溶接・二次加工までつなぐ | アイセル(自動ライン化の提案) |
量産の効率は、曲げそのものの速さより、端曲げや取り出しなどの前後の手間で差がつきます。何工程で1本が仕上がるかを最初に確かめてください。
今の工程で、曲げ・端曲げ・取り出し・運搬にそれぞれ何分かかっているかを測っておくと、どの機能に投資すべきかがはっきりします。
4本ロールで端曲げの工程をなくす
3本ロールで円筒を曲げると、端のまっすぐな部分を別にプレスで曲げることがあります。アイセルは、4本ロールのBS-Bなら端曲げから円筒成形までを1工程で行え、プレスでの端曲げが要らないと説明しています。
- アイセル BS-B:サイドロールは上昇後に完全にロックされ、真円度に優れる
- アイセル BS-B:ロールバランスの調整で太鼓状・鼓状を防ぐ
- アイセル BS-B:ダイヤル式セットメーターで数値をセットし、くり返し簡単に円筒成形
- エスカディア 4本ロール:加工の条件出しにより一発成型が可能(条件によってはできない場合もある)
4本ロールを開発したきっかけは、両端を端曲げできるロール機がほしいという声だったとアイセルは書いています。小径の長尺を精度よく曲げることも開発の目標に挙げています。
ワーク端部のストレートを極小にすることも目標にしたと説明しており、端の残りを嫌う量産品に向く考え方です。
条件を覚えさせて段取りを短くする
同じ径をくり返す量産では、一度決めた条件を呼び出せると、段取り替えのたびの試し曲げが減ります。
| メーカー | 条件のくり返しについての公式の説明 |
|---|---|
| MIYAi | 位置決めプリセット、ティーチング、自動プログラム運転。AutoRollerは完成径・板厚・曲げ幅を入れてスタート |
| 大同マシナリー | 曲げパターンをソフト化し、ティーチングプレイバックを含めて対話式で操作 |
| 栗本鐵工所 | 演算したデータを100種類(TNC)・100種類以上(CNC)保存 |
| アイセル | ダイヤル式セットメーターで数値をセット |
条件を保存できる機種でも、保存できる件数や呼び出し方は機種ごとに違います。品番の数が多い工場ほど、保存できる件数も確かめてください。
送り速度と取り出し
1本あたりの時間には、ロールの送り速度と、曲げ終わった円筒を取り出す手間がかかわります。公式に載っている値と機構は次のとおりです。
| 機種 | 公式の値・機構 |
|---|---|
| マツモト機械 MBR-1050-3B | 巻き速度2500mm/min、ロール跳上機構が標準 |
| エスカディア SRSH | 送り速度約5600mm/min(60Hz)、トップロール跳上げ機構付、正転・逆転はフットスイッチ |
| 日本酸素G&W Bシリーズ | フレーム転倒式でワークの取り出しが簡単 |
| 日本酸素G&W SR-DS型 | 跳ね上げ機構付きで、品物の取り出しがSR-D型より容易 |
小径の円筒は、ロールに巻き付いたまま抜き取る必要があるため、跳ね上げやフレーム転倒の機構がないと取り出しに時間がかかります。
エスカディアのSRSHは正転・逆転をフットスイッチで操作でき、材料の挿入と排出がしやすいと説明しています。両手で材料を支えながら操作できるかも、量産では大事な点です。
曲げから溶接までをつなぐ
ダクトやタンクの胴は、曲げたあとに合わせ目を溶接します。アイセルは、溶接装置や二次加工機もそろえ、ロール成形・溶接・二次加工を自動ライン化して、生産性の向上と人員不足の解消につなげると説明しています。
- 曲げの真円度がそろうと、溶接の治具に入れやすくなる
- 端曲げの残りが少ないと、合わせ目の目違いが減る
- 曲げと溶接の位置を近づけると、運搬の手間が減る
- 自動ラインは、品物の種類が少なく数が多い工場ほど効果が出る
量産で起きやすいばらつき
同じ条件で曲げても、材料のロットや板幅によって仕上がりがばらつくことがあります。よくあるばらつきと、各社が公式に挙げている対策を並べました。
| ばらつき | 起きること | 公式に載っている対策 |
|---|---|---|
| 太鼓状・鼓状 | 円筒の中央と端で径が違う | アイセル:左右同調機構とバックアップロール。栗本鐵工所:クラウニングとバックアップロールの調整 |
| 送り量のずれ | 合わせ目の位置がずれる | 大同マシナリー:メジャーリングロールで送り量を測定 |
| 端の残り | 合わせ目が角になる | アイセル・MIYAi:4本ロールで端曲げから円筒成形まで1工程 |
| スリップ | 径がそろわず、傷が付く | エスカディア:ウレタンロール、3本駆動 |
材料のロットが変わったときに、最初の1本を測ってから続ける手順を決めておくと、まとめて不良を出すことを防げます。
必要な台数と能力の見積もり方
量産の機械は、1台で間に合うか、2台に分けるかで投資額が変わります。台数を考えるときの目安をまとめました。
- 月の生産数を、1本あたりの曲げ時間(段取り・取り出しを含む)で割り、必要な稼働時間を出す
- 品番の切り替え回数が多いなら、段取り時間を多めに見込む
- 板厚や径の範囲が広い場合は、薄物用と厚物用で機械を分けると段取りが減る
- 曲げのあとの溶接が追いつくかも、あわせて確かめる
1本あたりの時間は、メーカーに代表的な品番を伝えて見込みを出してもらうのが確実です。同じ品番で各社の見込みを並べると、機種の違いが数字で比べられます。
小径の限界を確かめる
小径の円筒は、上ロールの太さで曲げられる最小径が決まります。量産品の径が機械の限界に近いと、仕上がりが安定しません。
いちばん小さい径の品番を基準にして、余裕のあるロール径の機種を選んでください。
| 機種 | 公式のロール径・最小径の目安 |
|---|---|
| MIYAi MR-S | トップロール径Φ65〜、最小可能径はトップロール径の約1.1倍〜(SS3.2mm時) |
| マツモト機械 MBR-1050-3B | 上ロールφ112mm |
| マツモト機械 MUR-550 | 標準上ロール径φ80〜110 |
量産向けの機械を選ぶ手順
- 量産する品番ごとに、材質・板厚・板幅・径・月の数をまとめる
- 端曲げを曲げ機で行うか、別工程にするかを決める
- 1本あたりの目標時間と、今かかっている時間を比べる
- 条件の保存・呼び出しと、取り出しの機構を確かめる
- 溶接や二次加工とのつながりも含めて、ライン全体の提案を受ける
量産の機械は、カタログの能力より、自社の品番で1本が何分で仕上がるかが判断の基準です。代表的な品番を2〜3点選び、仕上がり時間の見込みを各社に出してもらってください。
あわせて、作業者が何日で操作を覚えられるかも聞いておくと、立ち上げの計画が立てやすくなります。
この記事に出てくるメーカー
- 大同マシナリー株式会社ティーチング付きCNC
- アイセル株式会社4本ロールの機種が豊富
- 株式会社栗本鐵工所厚板・大型のNC/CNC
- マツモト機械株式会社薄板と小型製缶の標準機
- 株式会社MIYAi円錐と自動運転の4本ロール
- 日本酸素G&W株式会社手動〜油圧の標準3本ロール
- 株式会社エスカディアウレタンロールで薄板を傷なく
参照元
よくある質問
量産なら3本ロールと4本ロールのどちらがいいですか?
端曲げまで1工程で仕上げたいなら4本ロールが候補です。アイセルはBS-Bならプレスでの端曲げが要らないと説明しています。3本ロールでも、端曲げ機構付きの機種や、端曲げを別工程にする方法があります。
同じ品物の条件を保存できますか?
できる機種があります。MIYAiはプリセット・ティーチング・自動プログラム運転、大同マシナリーはティーチングプレイバック、栗本鐵工所は演算データを半自動NC(TNC)で100種類、全自動NC(CNC)で100種類以上保存できると説明しています。
曲げたあとの取り出しを楽にする機構はありますか?
マツモト機械のMBR-1050-3Bはロール跳上機構が標準、エスカディアのSRSHはトップロール跳上げ機構付き、日本酸素G&WのBシリーズはフレーム転倒式で取り出しが簡単と説明しています。
【用途別】ベンディングロールメーカーおすすめ3選
圧力容器・タンク・造船部品の厚板を、真円に近く曲げたいなら
株式会社栗本鐵工所
加圧能力25ton〜490ton以上、板厚110mm・板幅8mの製作実績。NCとCNCで端曲げまで
トップロールを前後に動かして端曲げを行う、トップロール水平移動式の3本ロール。材質・板厚・板幅・内径を入れるとロールの位置が演算され、半自動NC(TNC)と全自動NC(CNC)を選べる。MJシリーズ25〜65ton、MPシリーズ75〜430ton、Mシリーズ490ton〜で、製作は板厚110mm・板幅8mまで実績がある。
ホッパーやダクトの円錐と端曲げを、1台で自動化したいなら
株式会社MIYAi
油圧4本ロールMR-S。円筒・円錐・オーバル・多角形を1台で、完成径と板厚を入れて自動運転
MR-Sは油圧4本ロール式で、最大曲げ幅550mm・1000mm、曲げ能力0.3〜9.0mm(MR-550S)。端曲げ円筒・円錐・オーバル・多角形状を1台で加工でき、円錐曲げ用の支点軸を持つ。自動円筒曲げ機能AutoRollerは完成径・板厚・曲げ幅を入れてスタートするだけで円筒を曲げる。公式サイトに円錐の可否を判定するツールも載せている。
ステンレスやカラー鋼板の薄板を、傷とストレート残りを抑えて曲げたいなら
株式会社エスカディア
ウレタンロールの2本・3本・4本ロールベンダー。鉄芯ロールならSS材9mmまで
ウレタンロールは材料とロール軸がスリップしないため、加工の開始位置を材料端に近づけられ、ストレートの残りが少ないと説明する。傷を付けにくく、ステンレス・アルミ・カラー鋼板に対応。3本ロールにスタンダード・加圧電動・端曲げタイプがあり、4本ロールは同一工程で端曲げと円筒成形ができる。鉄芯ロールのSRSHシリーズはSS材9mmまで。
自社の製品に合うベンディングロールを、無料で相談する
曲げたい板の材質・板厚・板幅、仕上がりの直径(円錐なら大径・小径)、端曲げの要否、月の生産数、置ける場所と電源を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、問い合わせの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。