3比較ハブベンディングロール

ベンディングロール · 用途別

圧力容器・タンクの厚板円筒を曲げるベンディングロール|能力・端曲げ・真円度で比較

圧力容器や貯槽タンク、ボイラー胴などの厚板円筒を曲げたい工場向けに、栗本鐵工所(25ton〜490ton以上、板厚110mmの製作実績)、神埼工業、大同マシナリー、アイセルBS-BH、日本酸素G&Wの方式と能力を公式情報で比べます。

公開 2026年10月1日

圧力容器や貯槽タンク、ボイラーの胴のような製品は、厚い鋼板を大きな径の円筒に曲げてから溶接して作ります。円筒が真円からずれると、溶接の目違いや修正の手間が増えます。

このページでは、厚板の円筒を曲げるベンディングロールを、公式に載っている能力・端曲げの方式・制御で比べます。

厚板の円筒に対応するメーカー

メーカー方式公式の能力・説明
栗本鐵工所トップロール水平移動式の3本ロール、NC・CNC加圧能力25ton〜490ton以上、製作実績は板厚110mm・板幅8m
神埼工業端曲げ金型方式・上ロール水平移動・油圧式の3本ロール数値の記載なし。1967年に端曲げ式を開発
大同マシナリーCNCベンディングロール数値の記載なし。たわみをバックアップロールで補正
アイセル厚板用4本ロール機BS-BH12〜16mmの厚板、オール油圧駆動
日本酸素G&W油圧式・油圧式端曲げの3本ロール数値の記載なし。条件に合わせて製作

数十mmの厚板で数値の実績を公式に示しているのは、栗本鐵工所でした。ほかの会社は、条件を伝えて個別に提案を受ける形になります。

神埼工業は大型・中型の鍛圧機械を製造販売する会社で、造船用の専用機やアングルベンダーも手がけています。厚板の円筒と形鋼の曲げを同じ会社に相談したい場合の候補になります。

栗本鐵工所の活用事例と能力

栗本鐵工所は、ベンディングロールの活用事例に、圧力タンク、建設機械部品、造船部品、食品向けのステンレスタンク、タンクローリーなどの特装車を挙げています。

シリーズ加圧能力公式の説明
MJシリーズ25〜65ton25tonは板幅1500mmで端曲6mm・中央8mm
MPシリーズ75〜430ton大型の厚板向け
Mシリーズ490ton〜さらに大型の仕事向け

仕様一覧は機種の一部のみで、加工するワークに合わせて機種を決めると説明しています。対応板幅(実績)は500〜8000mmで、製作は板厚110mm・板幅8mまで実績があると書いています。

厚板の円筒で大事な3つの精度

厚板の円筒では、径が合っていることに加えて、端の形と円筒の真っすぐさが品質を決めます。各社は、それぞれの精度を確保する仕組みを説明しています。

  • 端の形:栗本鐵工所はNCでトップロールを前後に動かし、プレス作業と同様に端に近い部分まで曲げられると説明
  • 真円度:栗本鐵工所は、クリモト式端曲げ機構で真円度の高い成形を安定して行えるとしている
  • 円筒度(太鼓・鼓):栗本鐵工所はトップロールのクラウニングとバックアップロールの調整、大同マシナリーはCNCで演算したたわみをバックアップロールで補正
  • 送り量:大同マシナリーはワークに接触させるメジャーリングロールで送り量を正確に測る

栗本鐵工所は、成形精度が上がると溶接や修正などの後工程を大幅に減らせると説明しています。厚板の仕事では、曲げの工程だけでなく後工程まで含めて費用を比べてください。

端曲げの方式を比べる

厚板は端曲げに大きな力がかかるため、方式の違いが仕上がりと工程の数に出ます。

方式公式の説明メーカー
トップロール水平移動端曲げ部ではクランプ長さを自由に設定でき、最後に加圧するため材料を圧延する心配がない栗本鐵工所、神埼工業 TPB
端曲げ金型強力な油圧で板の先端を上ロールと端曲用金型で挟んで加圧神埼工業 TAH-O3At
油圧式端曲げ端曲げにはかなりの加圧力が要るため、厚板は油圧式が良い日本酸素G&W SR-DOH
4本ロール端曲げから円筒成形までを1工程アイセル BS-BH(12〜16mm)

栗本鐵工所は、一般的な4本ロールでは板の両端に平坦部が残り、熟練者でも真円に近い端曲げは難しいと説明しています。一方でアイセルは、4本ロールでプレスの端曲げを不要にできるとしています。

方式ごとの主張が違うため、自社の板厚で試し曲げの結果を見て判断してください。

NC・CNCを入れるかどうか

厚板の円筒は、一度失敗すると材料の損失が大きくなります。曲げの条件を数値で管理できるかどうかは、材料費の面でも大事な判断です。

制御公式に載っている例向く工場
全自動NC(CNC)栗本鐵工所 CNC:自動運転フローで最後まで成形、データ100種類以上多品種を大量に曲げる
半自動NC(TNC)栗本鐵工所 TNC:演算した値で位置制御、データ100種類多品種を少しずつ曲げる
CNC・ティーチング大同マシナリー:曲げパターンをソフト化し、ティーチングプレイバック同じ形をくり返し曲げる
手動・油圧の操作日本酸素G&W SR-DOA・SR-DOH、神埼工業熟練者がいて、品物の数が少ない

栗本鐵工所は、材質・板厚・板幅・内径を入力するだけで、特別な経験がなくても操作できると説明しています。熟練者が退職を控えている工場では、技能を数値に置き換える手段として検討する価値があります。

前後の工程とのつながり

厚板の円筒は、曲げの前に開先を取り、曲げたあとに溶接して、必要なら矯正します。曲げの精度は、前後の工程の手間に直接つながります。

  • 曲げの前:板の切断と開先加工の精度が、合わせ目の隙間を決める
  • 曲げ:端曲げの残りと真円度が、溶接の目違いを決める
  • 曲げのあと:溶接後の歪みを、再びロールで矯正することもある
  • ライン化:アイセルはロール成形・溶接・二次加工を自動ライン化する提案をしている

曲げの機械だけを見ずに、前後の工程でどれだけ手直しが出ているかを数字にしておくと、機械の能力にどこまで投資するかを決めやすくなります。

材質と板幅で能力を読み替える

圧力容器やタンクでは、SS400以外の材料もよく使われます。能力表の前提と、自社の材料の違いを確かめてください。

  • 栗本鐵工所の曲げ能力は、降伏点255N/mm²(JIS SS400相当)で計算した値
  • 同じ機種でも、板幅が広くなると曲げられる板厚は小さくなる(MJ 25tonは板幅2000mmで端曲4.5mm・中央7mm)
  • ステンレスや高張力鋼は、同じ板厚でもより大きな加圧能力が要る
  • 食品向けのステンレスタンクは、表面の傷にも気を配る必要がある

いちばん厚い板、いちばん広い板幅、いちばん硬い材料の組み合わせを先に伝えると、機種の大きさを正しく決められます。

大型機の設置で確かめること

厚板用の大型機は、機械そのものが大きく重くなります。導入前に、工場の条件を確かめておきたい点を並べました。

  • 床と基礎:栗本鐵工所は、トップロール押し下げ加圧構造で下部フレームをコンパクトにし、基礎工事を簡素化したと説明
  • 材料の出し入れ:大径の円筒を取り出すための空間と、クレーンでの吊り上げ
  • 電源:電動機と油圧ユニットの容量
  • 前後の工程:開先加工、溶接、矯正の機械との位置関係

厚板円筒の機械を選ぶ手順

  1. 曲げる板の材質・板厚・板幅の最大と、仕上がりの最小径・最大径を書き出す
  2. 端曲げをロールで行うか、プレスで別工程にするかを決める
  3. 真円度・円筒度の要求と、溶接後の修正にかかっている時間をまとめる
  4. NC・CNCが要るか、熟練者の操作で足りるかを決める
  5. 2〜3社に同じ条件を伝え、機種と見積、試し曲げの可否を比べる

厚板の機械は導入後の入れ替えが難しい設備です。今の品物だけでなく、数年先に受けたい仕事の板厚と径も含めて相談してください。

比べるときは、本体の価格だけでなく、基礎工事、搬入、据え付け、操作の教育までを含めた見積をそろえると判断を誤りません。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

何mmの厚板まで曲げられる機械がありますか?

公式の記載では、栗本鐵工所が板厚110mm・板幅8mまでの製作実績を示しています。4本ロールでは、アイセルの厚板用BS-BHが12〜16mmです。ほかの会社は条件に合わせて製作するとして、数値を載せていません。

厚板の端曲げはロールでできますか?

できます。栗本鐵工所はトップロールを水平に動かして端を曲げ、神埼工業のTAH-O3Atは端曲用金型で挟んで加圧します。日本酸素G&Wは、厚板の端曲げには油圧式が良いと説明しています。

真円度を上げるにはどんな機能が要りますか?

端曲げの機構と、ロールのたわみを補正する機能です。栗本鐵工所はクラウニングとバックアップロールの調整、大同マシナリーはCNCで演算したたわみをバックアップロールの昇降で補正すると説明しています。

【用途別】ベンディングロールメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

圧力容器・タンク・造船部品の厚板を、真円に近く曲げたいなら

株式会社栗本鐵工所

加圧能力25ton〜490ton以上、板厚110mm・板幅8mの製作実績。NCとCNCで端曲げまで

トップロールを前後に動かして端曲げを行う、トップロール水平移動式の3本ロール。材質・板厚・板幅・内径を入れるとロールの位置が演算され、半自動NC(TNC)と全自動NC(CNC)を選べる。MJシリーズ25〜65ton、MPシリーズ75〜430ton、Mシリーズ490ton〜で、製作は板厚110mm・板幅8mまで実績がある。

株式会社栗本鐵工所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

ホッパーやダクトの円錐と端曲げを、1台で自動化したいなら

株式会社MIYAi

油圧4本ロールMR-S。円筒・円錐・オーバル・多角形を1台で、完成径と板厚を入れて自動運転

MR-Sは油圧4本ロール式で、最大曲げ幅550mm・1000mm、曲げ能力0.3〜9.0mm(MR-550S)。端曲げ円筒・円錐・オーバル・多角形状を1台で加工でき、円錐曲げ用の支点軸を持つ。自動円筒曲げ機能AutoRollerは完成径・板厚・曲げ幅を入れてスタートするだけで円筒を曲げる。公式サイトに円錐の可否を判定するツールも載せている。

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3

ステンレスやカラー鋼板の薄板を、傷とストレート残りを抑えて曲げたいなら

株式会社エスカディア

ウレタンロールの2本・3本・4本ロールベンダー。鉄芯ロールならSS材9mmまで

ウレタンロールは材料とロール軸がスリップしないため、加工の開始位置を材料端に近づけられ、ストレートの残りが少ないと説明する。傷を付けにくく、ステンレス・アルミ・カラー鋼板に対応。3本ロールにスタンダード・加圧電動・端曲げタイプがあり、4本ロールは同一工程で端曲げと円筒成形ができる。鉄芯ロールのSRSHシリーズはSS材9mmまで。

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自社の製品に合うベンディングロールを、無料で相談する

曲げたい板の材質・板厚・板幅、仕上がりの直径(円錐なら大径・小径)、端曲げの要否、月の生産数、置ける場所と電源を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、問い合わせの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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