3比較ハブ軽金属鋳造の試作

軽金属鋳造の試作 · 用途別

ロボット・産業機械の軽量部品を鋳造で試作したい|アーム・ハウジング・一体化部品に対応する会社【2026年版】

ロボットのアームやハウジング、産業機械・工作機械の軽量部品をアルミ・マグネシウム鋳造で試作したい方向けに、ロボット関連の事例を公式に挙げる会社(JMC、木村鋳造所、ハヤカワロストワックス)、アームや産業機器部品の事例を持つ会社(モールドモデル、サンエスダイカスト、キングパーツほか)、剛性を出す肉厚とリブの考え方、高強度材と一体化の選択肢を公式記載で解説します。

公開 2026年10月1日

ロボットのアームや関節まわりのハウジングは、軽さと剛性の両方が求められる部品です。動かす質量が減るほど駆動系の負担が下がるため、アルミやマグネシウムの鋳物で試作する場面があります。

このページでは、ロボット・産業機械の部品を公式事例に挙げる会社と、試作で確かめる項目を整理します。

協会資料に見る一般機械のダイカスト部品

日本ダイカスト協会の資料は、一般機械のページを「軽量・高強度をフルに発揮」と題し、アルミニウム合金ダイカストの製品例を載せています。ロボットや省力機械の部品を考えるときの参考になります。

  • アルミニウム合金ダイカストの例:電動ノコギリ用ホルダー、ミシンアーム・ベッド、汎用シリンダー、船外機ケース、ガスメーター
  • 亜鉛合金ダイカストの例:印刷機用シテンブラケット、コピー機用レンズ受台ブロック、電動工具用ベベルギア
  • 設計ガイドの最大質量:アルミニウム40kg、マグネシウム20kg、亜鉛35kg

アームやブラケットのように長さのある部品は、この質量の範囲に収まるかと、肉厚をどこまで削れるかが試作の論点になります。

ロボット関連の事例を公式に挙げる会社

今回調査した34社のうち、公式サイトの事例や分野にロボットを明記している会社は次の3社です。

会社公式の記載工法・設備
JMC分野に自動車・産業機械・船舶・航空宇宙・ロボット。ギガキャスト試作の実績とあわせ協働ロボット用部品も多数3Dプリント砂型・低圧鋳造、アルミ専用9基・マグネシウム専用2基の溶解炉
木村鋳造所事例にロボット部品、エンジンブロック、ポンプなど3Dプリント砂型(DMP)、アルミニウム合金は20kg以下、通常納期7日から
ハヤカワロストワックス分野にIT・ロボット、医療の手術ロボットロストワックス、最大500×500×500mm(約60kg)

JMCはT4〜T7の熱処理、5軸機械加工、X線CT計6台まで社内一貫と記載しています。鋳造から加工済みの部品までを一社で受け取りたい場合の候補です。

木村鋳造所は「CAE解析による高い初品成功率」を掲げ、3D光学式寸法検査とCTスキャナ検査に対応しています。ハヤカワロストワックスはJIS Q 9100とNadcap(非破壊検査)の認証を持ち、X線検査装置と三次元測定機で検査します。

アーム・ハウジング・産業機器部品の事例

ロボットと明記していなくても、アームやハウジングなど形の近い部品を事例に挙げる会社があります。

会社公式の事例工法と数量
モールドモデル工作機アーム、バルブボディ、二輪変速機(量産同等試作)石膏鋳造、5〜100個程度、最大600×350×200mm程度
サンエスダイカスト農機具・産業機器のハウジング・本体・アームアルミ・亜鉛ダイカスト、125〜350t
キングパーツ工作機械、半導体装置、食品機械。複数部品一体化・軽量化部品ロストワックス、最少5個から、最大750×500×400mm
前橋橋本合金重電関係のハウジング、半導体製造装置の部品砂型、最小ロット1個、最大200kg・2,000mm
光軽金属工業産業機械のエンジン・トランスミッション部品ダイカスト・砂型・金型重力鋳造の3工法

アームのように細長い部品は、工法ごとの最大寸法で候補が変わります。部品の最長寸法を先に伝えてください。

石膏鋳造ならニューテックが最大800×800mm(最長1,000mm実績)、日邦産業がアルミ最大1,500×800×700mmと公式に記載しています。これを超える長さは、砂型系の会社が候補です。

剛性を出す肉厚とリブの考え方

軽くするために肉を削ると、たわみが増えます。協会の設計ガイドは、肉厚とリブについて次の指針を示しています。

  • 容易に鋳造ができ、かつ適当な強度と剛性を与える肉厚を選定する
  • 可能な部分には、変形防止、強度増加、溶湯の流れを良くするためにリブを設ける
  • できる限り均一な肉厚にし、変化が必要な部分は徐々に変える
  • 一般肉厚はアルミニウムで大物2.0〜6.0mm、小物0.8〜3.0mm

協会の設計ガイドは、均一な肉厚にすることで「ひけ巣の発生も軽減できる」としています。厚肉の塊を減らしてリブで剛性を補う設計は、軽量化と内部品質の両方に効きます。

試作では、リブの位置と高さを変えた数パターンを作り、剛性を比べる進め方があります。1個ずつ型を作る石膏鋳造や3Dプリント砂型は、形を変えた複数案を並べて作るのに向きます。

高強度材・マグネシウム・一体化という選択肢

アルミ鋳物で強度が足りない場合や、さらに軽くしたい場合の選択肢を、公式記載から整理します。

  • 高強度アルミ:日本プレシジョンキャスチングの特許合金A201HPは「鍛造品や板材に迫る強度」、SCプロセスで初晶を50〜90ミクロンに微細化
  • マグネシウム:ニューテック(ZE41A・EV31・AM60)、JMC(AZ91D・WE54Aほか)、STG(AZ91D・AM60B、月産50個〜)
  • 部品の一体化:キングパーツは複数部品一体化、J・3Dは金属3Dプリントで部品一体化構造
  • 形状の最適化:白銅はトポロジー最適化などの設計サポート

協会資料では、ダイカストの最大質量はアルミニウム40kgに対しマグネシウム20kgです。大型のアームをマグネシウムにする場合は、この範囲を確認します。

一体化は部品点数と組立工数を減らせる一方、1つの部品に複数の機能が集まるため、加工基準の取り方が難しくなります。どの面を基準にするかを試作の段階で決めておきます。

評価段階ごとに向く工法と数量

ロボットや産業機械の開発では、1台目の形状確認から、評価機数台、量産前の小ロットへと数量が増えていきます。段階ごとに公式の数量帯が合う会社を並べます。

段階数量の目安公式に数量帯を示す会社
形状・重量の確認1〜数個共栄デザイン(1個から、最短5日)、木村鋳造所(DMP、7日から)、前橋橋本合金(最小ロット1個)、ニューテック(消失鋳造1〜5個)
評価機・耐久試験5〜30個程度ニューテック(石膏鋳造5〜30個、100個まで相談可)、モールドモデル(5〜100個程度)、キングパーツ(最少5個から)
先行量産数十〜数百個協和合金(簡易金型、数十〜数百個)、マルサン木型製作所(500台程度まで)、光軽金属工業(砂型MIN1・MAX2,000)

同じ会社で段階を進められると、鋳造方案や加工基準を引き継げます。1個目の依頼時に、次の段階の想定数量も伝えておくと工法の提案が変わります。

なお、評価機を複数台作る場合は、個体差の確認も目的になります。寸法の測定方法と報告書の形式を、最初の見積の段階でそろえておくと比較が楽になります。

ロボット部品の試作を相談する前の準備

可動部品は、形状に加えて荷重と相手部品の情報がないと工法の提案が難しくなります。

  1. 評価の目的:剛性・重量の確認か、耐久試験まで行うか
  2. 材質:AC4CH-T6などの鋳物合金か、ADC12などの量産材か、マグネシウムか
  3. 最長寸法と重量:アームの全長、協会の最大質量(アルミ40kg)との関係
  4. 加工面:軸受やモーター取付面など、機械加工で仕上げる面
  5. 数量:1個の形状確認か、数台分の評価機か

3選のうち、JMCはロボット分野と協働ロボット用部品を公式に挙げ、ニューテックはアルミとマグネシウムの石膏鋳造で最大800×800mm・35kg、共栄デザインは1個から最短5日です。部品の大きさと評価の段階で相談先を選んでください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロボットのアーム部品を鋳造で試作できますか?

できます。JMCは分野にロボットを挙げ協働ロボット用部品も多数と記載し、木村鋳造所は3Dプリント砂型の事例にロボット部品、ハヤカワロストワックスは分野にIT・ロボットを挙げています。形の近い事例では、モールドモデルが工作機アームを石膏鋳造で量産同等試作しています。

鋳物のアームで剛性を上げるにはどうすればいいですか?

日本ダイカスト協会の設計ガイドは、適当な強度と剛性を与える肉厚を選び、可能な部分には変形防止と強度増加のためにリブを設けること、肉厚はできる限り均一にすることを挙げています。試作ではリブ配置を変えた複数案を作って比べる方法があります。

アルミ鋳物より強い材料で試作できますか?

日本プレシジョンキャスチングは特許合金A201HPを「鍛造品や板材に迫る強度」と公式に記載し、ロストワックスで1〜5個程度の少量品を金型なしで製品化できるとしています。軽さを優先するならマグネシウム(ニューテック、JMC、STGなど)も候補です。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

量産と同じダイカスト材で、金型なしに評価したいなら

株式会社ニューテック

ADC12でダイカスト同等品質の試作。試作実績1万件超、石膏鋳造は最短2.5週間

アルミ・マグネシウムの精密鋳造専門で試作実績10,000件以上。ADC12・AC4CH・A357などアルミ9種、ZE41A・AM60などマグネシウムに対応し、石膏鋳造はCT7級保証(CT5・6の実績)、消失鋳造はCT8級保証。最大800×800mm・35kg、最小肉厚0.8mm。5軸加工機・熱処理炉2基・X線CTを社内に持ち、完成品で納める。

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2

大物・複雑形状・ギガキャスト級の砂型試作なら

株式会社JMC

3Dプリント砂型で木型を省き、2m角・500kgまで。熱処理から5軸加工・CT検査まで社内一貫

砂型3Dプリンター(造形800×500×400mm)と大型低圧鋳造炉(2,000×2,000mm・500kg)を持ち、アルミ専用9基・マグネシウム専用2基の溶解炉で試作・小ロット量産に対応。T4〜T7熱処理、5軸機械加工、化成処理・アルマイト・含浸・HIP、X線CT6台まで社内一貫。ISO9001・JIS Q 9100、鋳造公差CT7(形状によりCT6)。ギガキャスト試作で自動車分野30型・500台以上の実績。

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3

まず1個を、数日で手に取りたいなら

株式会社 共栄デザイン

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