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部品洗浄機 · 基礎知識

部品洗浄機の洗浄方式7つの違い|超音波・スプレー・高圧水・揺動・真空・蒸気・ドライアイス【2026年版】

部品洗浄機の洗浄方式を、超音波、スプレー・シャワー、高圧水、浸漬揺動、真空、蒸気、ドライアイスの7つに分けて、落とせる汚れと向くワークを掲載メーカーの公式仕様で比較します。圧力は0.27MPaから245MPaまで、超音波は19.5kHzから3MHzまでの幅があります。

公開 2026年10月1日

部品洗浄機は、同じ洗浄機という名前でも汚れを落とす力の出し方がまったく違います。このページでは方式を7つに分け、どの汚れに効くのかを掲載メーカーの公式仕様で整理します。

数値はすべて各社の公式サイトに載っている仕様で、条件が違うため単純な優劣の比較には使えません。方式ごとの桁の違いをつかむ目安として読んでください。

洗浄力は液の働きと物理の力の掛け算

アクトファイブは製品ページで、洗浄性を化学エネルギーと物理エネルギーと時間の掛け算として示しています。方式を選ぶことは、このうち物理の力をどう出すかを決めることです。

  • 化学エネルギー: 溶解力、剥離力、濃度、温度(洗浄液の選び方で決まる)
  • 物理エネルギー: 真空、超音波、水圧、水流、姿勢制御、摩擦(洗浄方式で決まる)
  • 時間: 1サイクルの長さ。タクトタイムとして仕様に出る
  • 経験・実験: 同社は実際のワークで洗浄実験をしてから機種を提案すると記載

同社の選び方のフローチャートも、汚れの種類、適する洗浄剤、有効な物理的洗浄方法、適する機種の順です。汚れと液を先に決め、方式はその後に選ぶのが公式の順番です。

超音波:周波数で落とせる汚れが変わる

超音波洗浄は、液の中で発生する気泡がつぶれる力などで汚れをはがす方式です。超音波工業は、キャビテーション、加速度、直進流、洗浄剤の4つの要素の相互作用で洗うと説明しています。

同社によると、キャビテーションは周波数が低いほど起こりやすく、加速度は周波数が高いほど大きくなります。カイジョーは周波数帯ごとの向き不向きを次のように示しています。

周波数帯向く洗浄物(カイジョーの説明)
26〜38kHz(低周波)プレス部品や金属加工部品の油汚れの脱脂
78〜160kHz(中間周波数)HDD部品やレンズなど繊細な素材
200〜950kHz(高周波数)半導体向け

本多電子のWGシリーズは、28kHzを頑固な汚れの強力洗浄、40kHzを洗浄ムラやダメージの少ない精密洗浄に向くとしています。日本アレックスの発振器ネオソニックは28kHz〜200kHzを扱えます。

スプレー・シャワーと高圧水:圧力の桁が3つ違う

液を吹き付ける方式は、圧力によって役割が変わります。低い圧力は液を広く当てて油と汚れを流し、高い圧力は狙った穴の切粉やバリを衝撃で飛ばします。

メーカー・機種公式の圧力主な狙い
日伸精機 JWシリーズ0.27〜0.33MPa重量部品までのスプレー洗浄
中農製作所 洗浄小町0.6〜0.8MPa加工機横のシャワー洗浄と乾燥
森合精機 MSC-200Max.1.5MPa回路穴を有するワーク
東光技研工業 製作例1.0〜10MPaライン式の切粉・脱脂洗浄
管製作所 KNCシリーズ10〜50MPa5軸NC制御のバリ取り洗浄
スギノマシン JCCシリーズ最高245MPaバリや切りくずの狙い撃ち

0.3MPa前後と245MPaでは、およそ800倍の差があります。高圧水の機種はCNC制御でノズルを動かすものが多く、ワークごとに噴射位置を決める前提です。

浸漬揺動と回転:液の中で部品を動かす

液に沈めた部品を揺らしたり回したりすると、穴の中の液が入れ替わります。超音波と組み合わせる例も多く、各社が独自の動かし方を持っています。

  • 壽環境機材: 揺動渦流洗浄方式で、しつこいグリス汚れを段階的に落とす
  • 森合精機: テーブル回転とチャンバー揺動で洗浄パターンを作る揺動チャンバー洗浄機
  • デンヨー: 槽内の動きを揺動・回転・傾斜から選べる多槽式
  • 東製: 部品そのものを低周波で直接振動させる直振動洗浄
  • タイセイクリンケミカル: 角バスケットは揺動、丸バスケットは回転で洗う

重なり合った小物や袋穴のある部品では、揺動や回転の有無で結果が変わります。テスト洗浄のときは、動きの条件も記録してもらってください。

真空と蒸気:袋穴に液を入れて、一気に乾かす

真空方式は、槽内の空気を抜いて袋穴の奥まで液を入れる方法です。アクアテックは、真空引きで袋穴にたまった空気が抜け、洗浄剤が入り込むと説明しています。

  • カイジョー 真空洗浄装置: 槽を真空にし、袋穴や微細穴のワークを洗う
  • クリンビー CLOVA: 粗真空超音波、仕上真空超音波、減圧ベーパー洗浄、真空乾燥の4工程を1槽で行う
  • アクアテック: 蒸気による仕上げ洗浄の後に一挙に高真空にし、突沸を伴う超高速乾燥
  • ケンテック PCSⅠ-M型: 真空浸漬と超音波で洗い、真空乾燥する完全密閉型

蒸気洗浄は、溶剤の蒸気で部品表面を仕上げ洗いする方法です。ジャパン・フィールドのGreen Vaporは、バスケットの出し入れの際に溶剤ガスを機外に拡散させない構造を特長にしています。

ドライアイスと、洗浄液を使わない方式

液を使えない部品や、分解せずに洗いたい金型には、ドライアイスを吹き付ける方式があります。ドライアイスは昇華して残らないため、研磨材の残留を気にしなくて済みます。

メーカー・機種公式の仕様
不二製作所 TSGD・TDSD ソフトタイプミル粉砕で0.3mm、消耗量〜0.3kg/min
不二製作所 TSGD・TDSD ハードタイプ0.5〜2mm、消耗量〜1.0kg/min
グリーンテックジャパン IC-110ブラスト圧力0.1〜1.0MPa、タンク13kg、本体39kg
ジャパン・フィールド クイック・ショック・ドライ加熱した水蒸気の破裂で油を剥がす。角カゴ300×400×200H

ドライアイス方式は圧縮エアの量が運用の前提になります。グリーンテックジャパンのIC-110は、圧縮空気消費量を1.5〜4.5㎥/minと記載しています。

1台で複数の方式を組み合わせるのが普通

実際の部品洗浄機は、1つの方式だけで完結することが少なく、洗浄・すすぎ・乾燥を組み合わせます。仕様書を読むときは、各工程にどの方式が入っているかを分けて確認してください。

  1. 粗洗浄の方式(スプレー、浸漬、高圧水など)
  2. 仕上げ洗浄の方式(超音波、真空、蒸気など)
  3. すすぎの有無と液(純水、同じ溶剤など)
  4. 乾燥の方式(エアブロー、熱風、真空、遠心)
  5. 部品の動かし方(揺動、回転、コンベア、ロボット)

ショウワのインデックス縦型部品洗浄機は、NC洗浄・超音波洗浄・噴流洗浄・全体洗浄とエアブロー乾燥・真空乾燥から工程を選ぶ構成です。工程ごとの方式を並べて比べると、見積の違いが読みやすくなります。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

超音波洗浄機の周波数はどう選べばいいですか?

カイジョーの説明では、26〜38kHzの低周波はプレス部品や金属加工部品の脱脂、78〜160kHzはHDD部品やレンズなど繊細な素材、200〜950kHzは半導体向けです。本多電子は28kHzを強力洗浄、40kHzを精密洗浄向けとしています。

高圧水の部品洗浄機はどのくらいの圧力ですか?

公式の数値では、スギノマシンのJCCシリーズが最高245MPa、管製作所のKNCシリーズが10〜50MPaです。スプレー式の日伸精機JWシリーズは0.27〜0.33MPaで、用途が異なります。

真空洗浄はどんな部品に向いていますか?

袋穴や微細穴のある部品です。槽内の空気を抜くことで穴の奥まで洗浄液が入ります。カイジョー、クリンビー、アクアテック、ケンテックなどが真空を使う機種を公式に載せています。

【用途別】部品洗浄機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

切削油・プレス油を、炭化水素で脱脂するなら

株式会社クリンビー

多槽式タクト3〜6分と1槽式12〜15分。カゴ寸法と蒸留能力まで公式に数字がある

炭化水素系の洗浄機を主力にし、生産量の多い現場向けの多槽式CLEANVY(タクト3〜6分)と、少量向けの1槽式真空洗浄乾燥機CLOVA(タクト12〜15分)を公式に分けて載せている。CLOVAはカゴ寸法350×250×150〜600×400×300mm、蒸留能75〜200L/hの3型式。水溶性加工油向けのエマルジョン洗浄機もあり、自社ワークの洗浄テストを受け付けている。

株式会社クリンビーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

タップ穴の切粉とバリを、洗浄と同時に取るなら

株式会社スギノマシン

最高245MPaの高圧水で狙い撃ち。洗ラボのテストは清浄度とサイクルタイムを数値で返す

高圧水部品洗浄機JCCシリーズは水を最高245MPaまで加圧し、CNC制御で狙った穴や面に噴射してバリや切りくずを除去する。1998年の販売以来、世界30カ国以上で6,000台超を納入(公式記載)。幅600mmのJCC-Moduleや遠心乾燥付きのJCC-MULTIもある。富山県滑川市の洗ラボでは送ったワークで洗浄・乾燥テストを行い、立会可、結果を報告書で数値化する。

株式会社スギノマシンの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

精密部品を、高い清浄度で洗うなら

株式会社カイジョー

19.5kHz〜3MHzの超音波から周波数を選び、自社の超音波実験室でテストしてから決める

1958年に時計用超音波洗浄機を製品化し、作動周波数19.5kHz〜3MHzの超音波洗浄機をそろえる。低周波(26〜38kHz)は機械加工部品の脱脂、中間周波数(78〜160kHz)はHDD部品やレンズ、200〜950kHzは半導体向けと公式に説明。多槽式自動洗浄装置、真空洗浄装置、炭化水素系の3槽式超音波洗浄装置などの装置も持ち、超音波実験室で洗浄テストを行う。

株式会社カイジョーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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