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部品洗浄機 · 用途別

切削・プレス後の脱脂に使う部品洗浄機|油の種類・処理量・袋穴で選ぶ【2026年版】

切削油やプレス油の脱脂に部品洗浄機を入れたい工場向けに、不水溶性・水溶性の油の種類、1日の処理量、袋穴の有無で候補を絞る方法を整理します。炭化水素系の真空洗浄機と、溶剤を使わない水系洗浄機のタクトや仕様を、掲載メーカーの公式情報で比べました。

公開 2026年10月1日

機械加工やプレス加工の後の脱脂は、部品洗浄機の用途でいちばん多い工程です。このページでは、油の種類と処理量から候補のメーカーを絞る手順をまとめます。

まず、油が水に溶けるかどうかで分ける

脱脂で最初に確認するのは、使っている切削油やプレス油が水溶性か不水溶性かです。油の性質が違うと、向く洗浄液と候補のメーカーが変わります。

油の種類公式に挙がる洗浄液・機種メーカーの例
不水溶性の切削油・プレス油炭化水素系の真空洗浄機クリンビー、アクアテック、アクトファイブ、森合精機
水溶性の加工油エマルジョン洗浄機、含水非引火性洗浄剤用の洗浄機クリンビー(EMULISほか)
切削油・プレス油全般電解アルカリイオン水の水系洗浄機髙橋金属
プレス部品・金属加工部品の油汚れ低周波(26〜38kHz)の超音波カイジョー

水溶性と不水溶性の油が混ざる工場もあります。クリンビーはFAQで、エマルジョンタイプや含水非引火性タイプなどの炭化水素系溶剤を使えば水溶性の汚れも落とせると説明しています。

炭化水素の真空洗浄機は、処理量で型を選ぶ

炭化水素系の真空洗浄機は、1槽で全工程を行う型と、槽を分けて並べる多槽式に分かれます。公式のタクトタイムを並べると、処理量ごとの向き不向きが見えてきます。

メーカー・機種公式のタクト・能力向く処理量
クリンビー CLEANVY(多槽式)タクト3〜6分生産量の多い現場
クリンビー CLOVA・HEARVY(1槽式)タクト12〜15分生産量の少ない現場
アクアテック 全自動4槽式真空洗浄乾燥機タクト4分量産ライン
ケンテック PCSⅠ-M型(1槽式)タクト8〜12分、30kg/バッチ少量・溶剤を替えたい現場
アクトファイブ ⅢCS/DS/AS手動・自動・1サイクル式手動から無人運転まで

クリンビーのCLOVAはカゴ寸法350×250×150mmから600×400×300mmまでの3型式で、蒸留能力は75〜200L/hです。1回に入る部品の数とタクトを掛けると、1時間あたりの処理量を見積もれます。

溶剤を使わない水系で脱脂する

有機溶剤を減らしたい、あるいは危険物の管理を増やしたくない場合は、水系の脱脂も候補です。掲載メーカーでは、水の性質を変えたり、物理の力を足したりして油を落とす工夫をしています。

  • 平出精密: 純水を標準利用し、有機溶剤ゼロで洗浄。プレス部品、鋳造部品・切削部品、ゴム部品が対応例
  • 髙橋金属: 電解アルカリイオン水で切削油・プレス油・異物を除去。1998年に発売し累計3600台超
  • 日伸精機: 洗剤を必要としない強アルカリイオン洗浄水を開発。スプレー式のJWシリーズを持つ
  • 東製: 部品を直接振動させる直振動洗浄機。金属ワッシャーの焼き入れ前の完全脱脂の実施例
  • 富士ハイテック: コンベア式シャワー洗浄乾燥装置は温水だけで脱脂洗浄可能と記載

水系の弱点は乾燥とすすぎ水の処理です。候補に入れるときは、乾燥の方式と、排水をどう扱うかを最初に聞いてください。

袋穴と止まり穴に残る油をどう抜くか

脱脂でよく残るのが、袋穴や止まり穴の奥の油です。液が入れ替わりにくい場所なので、真空や振動などで液を押し込む工夫が要ります。

  • 真空で空気を抜く: アクアテックは、真空引きで袋穴にたまった空気が抜け、洗浄剤が入り込むと説明
  • 真空と超音波を重ねる: クリンビーのCLOVAは粗・仕上の真空超音波洗浄で止まり穴の部品にも有効と記載
  • 部品を揺らす: 森合精機の揺動チャンバー洗浄機は回路穴を有するワークに特に効果と記載
  • 部品そのものを振動させる: 東製は袋穴や通し穴の内部も均一に洗浄できると記載
  • 既存機を改造する: NRTeKは袋穴を洗えるよう改造し、洗浄剤の消費率を37.5%減らした事例を掲載

袋穴の油は、外から見てもほとんど分かりません。テスト洗浄のときに、穴のある部品を切断して中を見るなど、確かめ方を決めておいてください。

溶剤を回収して、繰り返し使う

炭化水素系や溶剤系では、溶かした油を分けて溶剤を再生する仕組みがランニングコストを左右します。各社の公式の記載は次のとおりです。

メーカー回収・再生の仕組み(公式記載)
クリンビー独自の真空システムで高い乾燥性と溶剤回収率。CLOVAの蒸留能75〜200L/h
アクアテック多段式真空蒸留再生機を標準で内蔵、排気回収タンクで洗浄剤を常時回収
日本アレックス炭化水素系3槽式自動洗浄装置は洗浄液を常時蒸留再生
タイセイクリンケミカル低濃度の蒸気を−25℃で液化回収するウルトラクール
ケンテック完全密閉型で溶剤損失は実質ゼロと記載

持ち込む油が多い部品では、蒸留の能力が足りないと洗浄液がすぐ汚れます。1日に持ち込まれる油の量をおおまかに出して、蒸留能力と比べてください。

脱脂で候補になるメーカーの早見表

このページで挙げた会社を、洗浄液、公式の数値、テストの手段で並べ直します。最初の問い合わせ先を2〜3社に絞るときに使ってください。

メーカー洗浄液公式の数値の例テストの手段
クリンビー炭化水素系、エマルジョン、水系多槽式タクト3〜6分、1槽式12〜15分WORK洗浄テスト
アクアテック炭化水素系4槽式タクト4分自社の試験装置で実証テスト
アクトファイブ水系、炭化水素系洗浄実験60,000ワークの経験洗浄実験センター
ケンテック揮発性溶剤全般タクト8〜12分、30kg/バッチ洗浄テスト・残渣解析
髙橋金属電解アルカリイオン水累計3600台超テストセンター
平出精密純水ドラムφ315・φ400のスパイラル機初回テスト無料
日伸精機水系、炭化水素系被洗浄物最大2000kgのスプレー機(JW-800NV)までかずさラボラトリー

森合精機、東製、日本アレックスも脱脂に使える機種を持っています。油の種類がはっきりしない場合は、水系と炭化水素系の両方を扱う会社を1社入れておくと比較がしやすくなります。

油の多い部品で起きやすいつまずき

脱脂の洗浄機は、入れた直後はよく落ちても、使い続けるうちに結果が変わることがあります。導入前に知っておきたいつまずきを挙げます。

  • 洗浄液がすぐ汚れる: 持ち込む油の量に対して、蒸留や浄化の能力が足りない
  • 乾かない: 水系で穴の多い部品を洗うと、穴の中の水が抜けにくい
  • ロットで結果がばらつく: カゴへの詰め方や部品の向きで、液の当たり方が変わる
  • 季節で結果が変わる: 液温の管理が甘いと、冬に落ちにくくなる

こうしたつまずきは、テスト洗浄の段階で条件を広めに振っておくと見つけやすくなります。詰め方や液温を変えた結果も報告してもらってください。

脱脂のテストを頼む問い合わせ文の例

最初の問い合わせは、短くても要点がそろっていれば十分です。脱脂のテストを頼むときの書き方の例を示します。

  • 部品: アルミの切削部品、最大寸法120×80×40mm、重さ0.3kg、M6のタップ穴が4か所
  • 汚れ: 不水溶性の切削油、加工直後のもの
  • 量: 1日800個、1日7時間稼働
  • 基準: 組立前、1部品あたりの残渣質量の上限は社内基準あり(数値は別途送付)
  • 依頼: 炭化水素系と水系の両方で可能か、テストの費用と日数を知りたい

数字が分からない項目は、分からないと書いて送れば大丈夫です。メーカーからの質問に答えながら条件を詰めていけば、テストの内容が決まります。

相談する前にそろえる4つの数字

脱脂の洗浄機は、次の4つの数字があれば、メーカー側で型式の当たりをつけられます。テスト洗浄の依頼と一緒に送ってください。

  1. 1日の処理量: 個数と重量。ピーク日の数字も
  2. 部品の最大寸法: カゴやバスケットに入るかを決める
  3. 油の種類と量: 水溶性か不水溶性か、1個あたりどのくらい付いているか
  4. 求める清浄度と次工程: 組立、熱処理、塗装、めっきのどれに進むか

炭化水素系を選ぶ場合は、溶剤保有量が分かった段階で所轄の消防署にも相談してください。クリンビーはFAQで、保有量によって消防署への届出や認可が必要になると説明しています。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

切削油の脱脂に向いている洗浄機はどれですか?

不水溶性の切削油なら、炭化水素系の真空洗浄機(クリンビー、アクアテック、アクトファイブ、森合精機など)が公式に多く挙がっています。溶剤を使いたくない場合は、純水の平出精密や電解アルカリイオン水の髙橋金属などの水系があります。

水溶性の切削油も炭化水素で落とせますか?

クリンビーはFAQで、エマルジョンタイプや含水非引火性タイプなどの炭化水素系溶剤を使えば水溶性の汚れも落とせると説明しています。同社には水溶性加工油向けのエマルジョン洗浄機EMULISもあります。

1日の処理量が少ない場合はどの型がいいですか?

1槽で全工程を行う型が候補です。クリンビーのCLOVAはタクト12〜15分で生産量の少ないユーザー向け、ケンテックのPCSⅠ-M型はタクト8〜12分・30kg/バッチです。

【用途別】部品洗浄機メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

切削油・プレス油を、炭化水素で脱脂するなら

株式会社クリンビー

多槽式タクト3〜6分と1槽式12〜15分。カゴ寸法と蒸留能力まで公式に数字がある

炭化水素系の洗浄機を主力にし、生産量の多い現場向けの多槽式CLEANVY(タクト3〜6分)と、少量向けの1槽式真空洗浄乾燥機CLOVA(タクト12〜15分)を公式に分けて載せている。CLOVAはカゴ寸法350×250×150〜600×400×300mm、蒸留能75〜200L/hの3型式。水溶性加工油向けのエマルジョン洗浄機もあり、自社ワークの洗浄テストを受け付けている。

株式会社クリンビーの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

タップ穴の切粉とバリを、洗浄と同時に取るなら

株式会社スギノマシン

最高245MPaの高圧水で狙い撃ち。洗ラボのテストは清浄度とサイクルタイムを数値で返す

高圧水部品洗浄機JCCシリーズは水を最高245MPaまで加圧し、CNC制御で狙った穴や面に噴射してバリや切りくずを除去する。1998年の販売以来、世界30カ国以上で6,000台超を納入(公式記載)。幅600mmのJCC-Moduleや遠心乾燥付きのJCC-MULTIもある。富山県滑川市の洗ラボでは送ったワークで洗浄・乾燥テストを行い、立会可、結果を報告書で数値化する。

株式会社スギノマシンの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

精密部品を、高い清浄度で洗うなら

株式会社カイジョー

19.5kHz〜3MHzの超音波から周波数を選び、自社の超音波実験室でテストしてから決める

1958年に時計用超音波洗浄機を製品化し、作動周波数19.5kHz〜3MHzの超音波洗浄機をそろえる。低周波(26〜38kHz)は機械加工部品の脱脂、中間周波数(78〜160kHz)はHDD部品やレンズ、200〜950kHzは半導体向けと公式に説明。多槽式自動洗浄装置、真空洗浄装置、炭化水素系の3槽式超音波洗浄装置などの装置も持ち、超音波実験室で洗浄テストを行う。

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自社の部品に合う洗浄機を、無料で相談する

ワークの材質・形状・大きさ、落としたい汚れ(切削油・切粉・研磨粉など)、1日の処理量、今の洗浄方法を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、テスト洗浄の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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