部品洗浄機 · 用途別
熱処理前後・長尺物・大物部品の洗浄|7mのパイプから2000kgの部品まで対応する洗浄機【2026年版】
熱処理の前後に部品を洗いたい工場、パイプや長尺物、重量物を洗いたい工場向けに、対応できる部品洗浄機を公式の寸法と実績で整理します。熱処理用の大型炭化水素機、最大7mの長尺ワーク、2000kgまでのスプレー洗浄機、線材・フープ材の連続洗浄まで、掲載メーカーの公式情報をまとめました。
熱処理の前後の洗浄や、長い部品・重い部品の洗浄は、一般的なカゴに入らないため機種が限られます。このページでは、公式に寸法や実績を載せている機種を用途ごとに並べます。
大物や長尺物の洗浄機は、標準機の型番から選ぶより、部品と工場に合わせて一品で作る例が多くなります。そのため、メーカーの実績と実験設備の大きさが、候補を選ぶ手がかりになります。
熱処理の前後に洗う理由
熱処理の前に油が残っていると、炉の中で油が焼けて部品や炉を汚します。熱処理の後にも、焼入れ油などが部品に残るため、次の工程の前に洗います。
- 熱処理の前: 切削油やプレス油を落とす。東製は金属ワッシャーの焼き入れ前の完全脱脂を実施例に挙げる
- 熱処理の後: 部品に残った油を落とす。クリンビーのBIOVAは熱処理前後の洗浄向けと記載
- 乾燥の質: アクアテックは蒸気リンス後の真空乾燥により酸化無しと記載
- 金型の洗浄: ケンテックは熱処理金型の洗浄を事例に挙げる
熱処理を外注している場合は、熱処理を行う会社の受け入れ基準も確認してください。洗浄の基準が熱処理の品質に直接つながります。
熱処理向けの大型炭化水素機
熱処理の前後の洗浄では、部品をまとめて大きなカゴで洗う大型の炭化水素機が使われます。公式に熱処理を用途に挙げている機種は次のとおりです。
| メーカー・機種 | 公式の記載 |
|---|---|
| クリンビー BIOVA | 炭化水素系熱処理用大型ワンバス式真空洗浄機、熱処理前後の洗浄向け |
| アクトファイブ 炭化水素系真空大型洗浄機 | 熱処理前後の洗浄に最適、ボタン操作で扉の開閉から洗浄〜乾燥まで自動化 |
| アクアテック 真空洗浄機 | 目的に熱処理前の洗浄乾燥。1000×1000×1000Hのバスケットの実験機 |
大型機は洗浄液の保有量も大きくなります。炭化水素系を選ぶ場合は、保有量を確認したうえで、所轄の消防署に届出の要否を相談してください。
パイプ・長尺物を洗う
パイプや長い軸は、洗浄槽の長さで対応できるかどうかが決まります。公式に長尺物への対応を書いている会社は次のとおりです。
| メーカー | 公式の記載 |
|---|---|
| アクトファイブ | パイプ・長尺物・大型ワークの洗浄用、最大7m対応、重量1.5tまで実績 |
| アクアテック | 長尺ワーク用自動真空洗浄乾燥機、7mまでの長尺ワーク用の実証テスト機 |
| 東京超音波技研 | 特殊用途超音波洗浄機に長尺物用 |
| エスエヌディ | 長物用の超音波洗浄機 |
| ケンテック | 長尺(500m)・細径チューブ(0.2mmΦID)の内外洗浄を事例に掲載 |
長尺物は、洗浄液の量だけでなく、搬入口の位置やクレーンの有無も設置の条件になります。工場の天井高さと、搬入の経路も先に確かめてください。
重量物・大物を洗う
1個が数百kgある部品は、カゴに入れず台に載せて洗う方式が中心です。公式に最大重量や寸法を載せている機種を並べます。
| メーカー・機種 | 公式の最大寸法・重量 | 方式 |
|---|---|---|
| 日伸精機 JW-800NV | 1830φ×1000H・2000kg | スプレー(ノズル回転) |
| 日伸精機 JW-500N | 1370φ×850H・1000kg | スプレー |
| 日伸精機 JW-350NL | 1170φ×550H・500kg | スプレー |
| 日伸精機 AUTO-MAN・THE BIG | 超大型洗浄 | スプレー |
| 管製作所 KNCシリーズ | ワーク最大150kg | CNC高圧水 |
| アクトファイブ 真空大型洗浄機 | 重量1.5tまで実績 | 炭化水素系真空 |
鉄道車両のような整備部品では、壽環境機材が部品の大きさや洗浄量に合わせてサイズをカスタマイズする浸漬揺動洗浄装置を載せています。電鉄会社の車両部品の洗浄に使われている事例があります。
線材・フープ材を連続で洗う
長い材料そのものを洗う用途では、巻いた状態から連続で流す洗浄機があります。プレス加工やばね・線材の工場で使われる方式です。
- カイジョー 線材・フープ材洗浄装置: 線材やフープ材を連続して洗浄する。直線上に流れる材料を洗える装置もある
- アクトファイブ フープ洗浄機ⅢHW/HS: プレス機やリールと連動し、フープ状態のまま連続洗浄。ラインスピードMAX10m/分
- 特機工業 直進型フープ洗浄機: 製造実績に掲載
アクトファイブのフープ洗浄機は、ストレート型、U字型、W字型のバリエーションがあり、フープ幅の可変にも対応すると記載しています。ラインの長さに制約がある工場では、U字型やW字型も検討してください。
大物の出し入れと、扉まわりの仕組み
大物や重量物の洗浄では、洗う時間より出し入れの時間の方が長くなることがあります。公式に出し入れの工夫を書いている機種を並べます。
- 日伸精機 JWシリーズ: 重量部品の出し入れに負担がないよう作業面を低く設計し、専用キャリアでワークを移動。扉の開閉は上下・電動式の型式もある
- アクトファイブ 炭化水素系真空大型洗浄機: ボタン操作のみで扉の開閉から洗浄〜乾燥までを自動化
- ケンテック PCSⅠ-M型: バスケット取り出し高さ450mm(バスケット底部)
- アクアテック: 角バスケットと丸バスケットがあり、サイズや形状も様々と記載
出し入れにクレーンやフォークリフトを使う場合は、その動線も含めて設置場所を決めてください。洗浄機の前に部品を仮置きする場所も要ります。
熱処理・長尺・大物で候補になるメーカーの早見表
このページで挙げた会社を、対象と公式の数値で並べ直します。部品の長さと重さから、最初に問い合わせる会社を選んでください。
| メーカー | 対象 | 公式の数値の例 | テストの手段 |
|---|---|---|---|
| アクトファイブ | 熱処理前後、パイプ・長尺物、大型 | 最大7m、1.5tまで実績 | 洗浄実験センター |
| アクアテック | 熱処理前、長尺ワーク | 7mまでの長尺用テスト機、1000×1000×1000Hの実験機 | 実証テスト |
| クリンビー | 熱処理前後 | 熱処理用大型ワンバス式BIOVA | WORK洗浄テスト |
| 日伸精機 | 重量部品 | 最大2000kg(JW-800NV) | かずさラボラトリー |
| カイジョー | 線材・フープ材 | 連続洗浄装置 | 超音波実験室 |
| 壽環境機材 | 鉄道車両などの整備部品 | 部品・洗浄量に合わせてサイズをカスタマイズ | 独自の洗浄テスト |
大物の洗浄機は、標準機よりも一品ごとの設計になることが多くあります。テストの結果と工場の条件を合わせて、構成の提案を受けてください。
大物を洗う設備で見落としやすい条件
大物用の洗浄機は、部品の寸法に合わせて作るぶん、工場側の条件で導入が止まることがあります。見落としやすい条件を挙げておきます。
- 床の強さ: 洗浄液を満たした状態の装置重量と、部品の重量を合わせて考える
- 電源と熱源: 液を温めるヒーターや蒸留の加熱で、大きな電源容量が要ることがある
- 液の入れ替え: 大量の洗浄液を入れ替えるときの搬入と廃液の経路
- 換気と排気: 溶剤を使う機種は、排気の経路と設備が要る
これらはメーカーが仕様を決める段階で必ず聞かれる項目です。先に工場の図面と電源の資料を用意しておくと、提案までの時間が短くなります。
大物の見積で先に伝える寸法
大物や長尺物の洗浄機は、部品の寸法と工場の条件で構成が決まります。見積とテストの相談の前に、次の数字をそろえてください。
- 部品の最大寸法: 長さ、幅、高さ、パイプなら内径と外径
- 部品の重量と、1回に洗う合計の重量
- 吊り具・クレーンの有無と、搬入口の寸法
- 工場の天井高さと、洗浄機を置ける床の広さ
- 1日の処理本数と、熱処理など前後工程の時間
大物は送ってテストするのが難しく、輸送の費用もかかります。アクアテックの長尺用テスト機のように、大型の実験機を持つ会社かどうかも、候補選びの基準にしてください。
この記事に出てくるメーカー
- アクトファイブ株式会社方式を実験で決める
- 株式会社アクアテック長尺・大物の真空洗浄
- 株式会社クリンビー切削油の脱脂(炭化水素)の本命
- 株式会社カイジョー精密部品の超音波洗浄の本命
- 株式会社管製作所重量部品の高圧バリ取り
- 株式会社ケンテック溶剤を外に出さない密閉型
- 壽環境機材株式会社整備部品のグリス落とし
- 日伸精機株式会社重量部品のスプレー洗浄
- 株式会社エスエヌディデモ機を借りて試す
- 東京超音波技研株式会社長尺・防爆の超音波特注
- 東製株式会社表面処理前の水系精密脱脂
- 特機工業株式会社工程間の超音波をオーダーで
参照元
よくある質問
熱処理前の洗浄に向いている洗浄機はどれですか?
公式に熱処理を用途に挙げている機種には、クリンビーの熱処理用大型ワンバス式真空洗浄機BIOVA、アクトファイブの炭化水素系真空大型洗浄機、アクアテックの真空洗浄機があります。いずれも炭化水素系です。
長さ数mのパイプを洗える洗浄機はありますか?
あります。アクトファイブは最大7m対応・重量1.5tまでの実績、アクアテックは7mまでの長尺ワーク用の実証テスト機を公式に載せています。超音波では東京超音波技研とエスエヌディが長尺物用・長物用の機種を持っています。
1トン近い部品を洗える洗浄機はありますか?
日伸精機のスプレー式JW-500Nは被洗浄物最大1370φ×850H・1000kg、ノズル回転式のJW-800NVは1830φ×1000H・2000kgと公式に記載しています。炭化水素系ではアクトファイブが重量1.5tまでの実績を載せています。
【用途別】部品洗浄機メーカーおすすめ3選
切削油・プレス油を、炭化水素で脱脂するなら
株式会社クリンビー
多槽式タクト3〜6分と1槽式12〜15分。カゴ寸法と蒸留能力まで公式に数字がある
炭化水素系の洗浄機を主力にし、生産量の多い現場向けの多槽式CLEANVY(タクト3〜6分)と、少量向けの1槽式真空洗浄乾燥機CLOVA(タクト12〜15分)を公式に分けて載せている。CLOVAはカゴ寸法350×250×150〜600×400×300mm、蒸留能75〜200L/hの3型式。水溶性加工油向けのエマルジョン洗浄機もあり、自社ワークの洗浄テストを受け付けている。
タップ穴の切粉とバリを、洗浄と同時に取るなら
株式会社スギノマシン
最高245MPaの高圧水で狙い撃ち。洗ラボのテストは清浄度とサイクルタイムを数値で返す
高圧水部品洗浄機JCCシリーズは水を最高245MPaまで加圧し、CNC制御で狙った穴や面に噴射してバリや切りくずを除去する。1998年の販売以来、世界30カ国以上で6,000台超を納入(公式記載)。幅600mmのJCC-Moduleや遠心乾燥付きのJCC-MULTIもある。富山県滑川市の洗ラボでは送ったワークで洗浄・乾燥テストを行い、立会可、結果を報告書で数値化する。
精密部品を、高い清浄度で洗うなら
株式会社カイジョー
19.5kHz〜3MHzの超音波から周波数を選び、自社の超音波実験室でテストしてから決める
1958年に時計用超音波洗浄機を製品化し、作動周波数19.5kHz〜3MHzの超音波洗浄機をそろえる。低周波(26〜38kHz)は機械加工部品の脱脂、中間周波数(78〜160kHz)はHDD部品やレンズ、200〜950kHzは半導体向けと公式に説明。多槽式自動洗浄装置、真空洗浄装置、炭化水素系の3槽式超音波洗浄装置などの装置も持ち、超音波実験室で洗浄テストを行う。
自社の部品に合う洗浄機を、無料で相談する
ワークの材質・形状・大きさ、落としたい汚れ(切削油・切粉・研磨粉など)、1日の処理量、今の洗浄方法を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、テスト洗浄の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。