3比較ハブ金属3Dプリントの受託造形
メニュー

金属3Dプリントの受託造形 · 基礎知識

導入事例から見る金属3Dプリント受託先の選び方軽量化・工法転換・費用の数字の読み方【2026年版】

金属3Dプリントの受託会社の公式サイトに載っている造形事例を集め、軽量化と一体化、時間・費用・性能の変化、工法転換の事例に分けて整理しました。宇宙・研究の事例やサンプルワークの読み方と、事例から試作の依頼に進む手順もまとめています。

公開 2026年10月4日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

金属3Dプリントの受託会社の公式サイトには、造形事例や製作実績のページがあります。何の部品を、どの材料と設備で作り、何が変わったかが書かれていれば、自社の部品を任せられるかを判断する材料になります。

このページでは、掲載20社の公式サイトに出ている事例を集め、読み方と比べ方を整理しました。情報は2026年10月4日に確認したもので、数字は事例ページの書き方のまま載せています。

造形事例で確かめたい6つの項目

造形事例は、写真だけでは中身がわかりません。次の6つが書かれているかを確かめてください。

  1. 材料と大きさ
  2. 造形方式と設備(PBFかDEDか、機種名)
  3. 依頼の目的(軽量化、一体化、工法転換、調達の安定化など)
  4. 成果の数字(重量、造形時間、リードタイム、費用、性能)
  5. 後加工の内容(熱処理、切削、ブラストなど)
  6. 実際の依頼なのか、サンプルワークなのか

東金属産業やODECのように、依頼企業の社名を出さず課題と結果を書く事例が多く見られます。社名が出ていない事例は、部品の種類と材料が自社に近いかを中心に読んでください。

軽量化と一体化を示している事例

金属3Dプリントを選ぶ理由として多いのが、軽量化と部品の一体化です。数字があるものとないものを並べます。

会社依頼企業・部品公式に書かれた内容
日本積層造形株式会社タダノ・クレーンのジブ先端部品(試作)外形600×280×450mmを大型の造形機で試作し、現行比50%に軽量化しつつ剛性を向上
ホワイトインパクト産業機械・組立用ロボットハンドメッシュ形状で造形時間6時間、部品58g、軽量化効率500%
東金属産業検査治具(インバー、200×200×200)4部品からなる組立部品を一体化し、組立工数を削減(数値の記載なし)
金属技研自転車(提供: Triple Bottom Line、CEREVOと記載)板厚0.5mmで弾性のある3次元ラティス構造で軽量化(軽量化率の記載なし)

タダノの事例は試作の段階の数字です。量産で同じ効果が出るかは、別に確かめる必要があります。

時間・費用・性能が変わった事例

造形時間や工期、費用、性能の変化を数字で出している事例もあります。見積や納期の目安を考えるときの参考になります。

会社事例公式に書かれた数字
ホワイトインパクト真空成形用の金型成形サイクルタイム68秒→12秒、金型費用が約1/3、工期は実働16日から4日へ短縮
金属技研宇宙・航空分野の熱交換器(部品1個)の比較事例従来90万円/13日 → 積層造形30万円/4日(税表記なし)
東レ・プレシジョンSUS316Lの樹脂成型金型(ハイブリッド造形)すべて金属3Dプリンターで造形する場合に比べ、造形時間を3割削減
ODEC銅合金の実験用器具熱処理で導電率を95.5%まで向上
ライト製作所株式会社DOHO・旧型オートバイのピストンシリンダ三気筒を同時造形し、造形時間48.5時間
日本積層造形ミュンヘン工科大学のレーシングチームTUfastのアップライト100㎜強×160㎜強×100㎜強で造形時間約20h

造形時間は、形状や同時に造形する個数で変わります。費用の数字は1つの事例での比較で、どの部品にも当てはまる相場ではありません。

工法転換と調達の課題から読む事例

今の工法や調達先に困って相談した事例もあります。自社が抱える課題と同じものがないかを探してみてください。

  • 東金属産業: 曲げ加工業者が減り調達が不安というコンベア用曲げフレームで、複数工程を造形に集約し、リードタイム短縮と調達の安定化を実現と書いています。
  • 東金属産業: 成形品の不良率が高い金型を、切削・放電加工から金属3Dプリンタに切り替え、冷却機構を見直して不良率低下と生産性向上につなげています。
  • ODEC: 鋳造で作っていた漁業設備関連部品を造形に置き換え、金型の製作をなくして小ロット・短納期で試作できたとしています。
  • ライト製作所: 製造中止の旧型オートバイ部品を、鋳鉄からアルミに変えて造形しています。

どの事例も、数値の記載がないか、時間の数字にとどまります。自社の部品で同じ効果が出るかは、見積の段階で具体的に相談してください。

宇宙・研究の事例は段階を確かめる

宇宙や大学との事例は、技術力を知る手がかりになります。ただし、製品として使われているのか、研究開発の段階なのかを分けて読む必要があります。

会社事例段階(公式の記載)
SOLIZE PARTNERS船内ドローンInt-Ball2のアルミ部品(JAXA、明星電気株式会社)2023年6月6日に打ち上げられ、ISSで使用中
SOLIZE PARTNERSJAXAとのループヒートパイプの共同開発約三年の共同開発。既存工法に比べ劣る部分が残ると記載
東レ・プレシジョン名古屋大学・京都大学の共同研究のループヒートパイプ試作製品事例。厚さ3mm以下の薄型構造
有我工業所東京大学生産技術研究所の研究室の移動式シェルターの仕口数値の記載なし

研究段階の事例は、難しい形状や材料に挑める会社かを見るのに向いています。量産の依頼を考えているなら、ホワイトインパクトの100個の繰り返し造形の検証のような、量産を想定した事例もあわせて確かめてください。

サンプルワークの読み方

依頼企業のない、技術を見せるためのサンプルを事例として載せている会社もあります。導入実績ではありませんが、得意な材料や形状がわかります。

  • フジ: バイメタル部品(チルベント)は造形時間40min、金型補修の模擬は10min(いずれも切削時間は除く)と書いています。
  • 東レ・プレシジョン: 純タングステンのピンホールコリメータで、小孔最小径φ0.1㎜としています。
  • 日本マイクロMIMホールディングス: 工作機械の高圧クーラントノズルを想定したチタン合金の異形状ノズル(φ10×30mm)を載せています。

サンプルの数字は、条件を整えて作った値です。自社の部品での見積や試作の結果と分けて考えてください。

事例を手がかりに試作を頼むまで

事例を使って依頼先を絞る流れをまとめます。最初から1社に決めず、2~3社の事例を見比べるのが基本です。

  1. 部品の材料・大きさと、軽量化や一体化などの目的を書き出す
  2. 同じ材料・目的の事例を公式に載せている会社を探す
  3. 事例の設備と後加工が、自社の部品に必要な範囲と合うかを確かめる
  4. 事例の数字が試作かサンプルか量産かを確認する
  5. 3Dデータを用意して見積を取り、後加工まで含めた総額と納期で比べる

事例の部品が近くても、形状が違えば造形時間も後加工も変わります。最後は自社の部品での見積と試作の結果で判断してください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

金属3Dプリントの造形事例は、どこを見て比べればよいですか?

材料と大きさ、造形方式と設備、依頼の目的、成果の数字、後加工の内容、そして実際の依頼かサンプルかの6つを見ます。社名が出ていない事例は、部品の種類と材料が自社に近いかを中心に読んでください。

費用や工期が変わった事例はありますか?

ホワイトインパクトは真空成形用の金型で、金型費用が約1/3、工期は実働16日から4日へ短縮したと書いています。金属技研は部品1個で、従来90万円/13日 → 積層造形30万円/4日という比較を載せています(税表記なし)。どちらも1つの事例の数字です。

サンプルワークの数字は参考になりますか?

その会社が得意な材料や形状を知る手がかりになります。ただし条件を整えて作った値なので、自社の部品での見積や試作の結果とは分けて考えてください。

【用途別】金属3Dプリントの受託造形おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

PBFで1個の試作部品を、表面・内面の仕上げまで任せるなら

東レ・プレシジョン株式会社

EOS M290を3台、材料は15種類。造形後Ra20μmの面をRa0.5μmまで磨く2次加工を一貫

東レ・プレシジョン株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

大型部品や異種金属の肉盛り・補修をDEDで頼むなら

株式会社明楽

粉末DEDと五面加工機のハイブリッドで最大3000×1500×1100。造形から切削仕上げまで一台

株式会社明楽の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

チタンや耐熱合金を、内部の品質まで詰めて使うなら

金属技研株式会社

電子ビームとレーザーの2方式に、HIP処理と熱処理、Ra0.2の機械加工を一貫。最低1個から

金属技研株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

関連記事