金属のレーザー加工の受託 · 用途別
ステンレス・アルミ・銅・チタンをレーザーで切る|材質別の板厚上限と、仕上げ材・特殊鋼の頼み方【2026年版】
レーザー加工は材質によって切れる板厚と向く会社が変わります。ステンレス・アルミ・銅・真鍮・チタン・特殊鋼について、掲載各社が公式に書いている板厚の上限と、研磨材の扱い、レーザーで切れない材質を整理します。
同じ厚さの板でも、ステンレス、アルミ、銅では、レーザーで切れるかどうかと仕上がりが違います。アルミや銅は光を反射しやすく、チタンや特殊鋼は材料の扱いそのものに経験が要ります。
このページでは、掲載各社の公式の記載をもとに、材質ごとに頼む先と確かめる点を整理します。発振器の違いそのものは、基礎知識のページで解説しています。
材質ごとの板厚の上限を並べる
材質別の上限を公式に出している会社を並べると、同じ会社でも材質によって上限が大きく変わることが分かります。
| 会社 | 鉄 | ステンレス | アルミ | 銅 | 真鍮 |
|---|---|---|---|---|---|
| レーザーテック | 19mm | 18mm | 12mm(A5052) | 8mm | 8mm |
| 共栄精機 | 22mm | 12mm | 12t | 6t | 12t |
| イコマ工業 | t0.3〜16.0 | t0.1〜10.0 | t0.3〜8.0 | 記載なし | 記載なし |
| ニシザキ | 0.3〜16.0t | 0.1〜12.0t | 0.1〜5.0t | 記載なし | 記載なし |
| かねよし | SS30mm | 30mm(FAQは25mm) | 30mm | 10mm | 12mm(トップの別欄は15mm) |
| ミワレーザー | 0.5〜25mm | 0.01〜25mm | 0.3〜25mm | 0.1〜12mm | 0.1〜18mm |
| 柳田製作所 | SS400 32mm | 25mm | 12mm(A5052) | 記載なし | 6mm(黄銅) |
アルミと銅の上限は、会社によって鉄の半分以下になることもあります。アルミや銅の厚い板は、上限の値を出している会社に絞って問い合わせてください。
表の値は各社の公式ページの表記をそのまま並べたもので、仕上がりの品質まで同じとは限りません。上限に近い板厚は、切断面の状態と精度も一緒に確かめてください。
ステンレスは仕上げの種類まで伝える
ステンレスの板には、2B、No.1、ヘアライン(HL)、#400などの仕上げがあります。見た目が製品の価値になる仕上げ材は、切り方の指定まで含めて頼みます。
- レーザーテック: SUS316・316L・310S・430・410、研磨品(HL・#400・鏡面など)に対応。研磨品はSPVを貼ったまま切断
- かねよし: 研磨品と2BはSPVを貼ったまま切断でき、切断後にSPVを貼ることもできる
- かねよし: ステンレスの在庫板はNO1が20mmまで、2Bが6mmまで、#400・HLが3mmまで
- ミワレーザー: 表面保護フィルム(SPV)を貼ったまま加工でき、研磨品や外観品質が求められる製品にも対応
- レーザーテック(レーザー超特急24): 短納期対応は基本的にSUS304のみ。SUS316・316L・310Sは通常、材料入荷まで2〜3日
在庫にない仕上げ材は取り寄せになり、その分だけ日数が延びます。急ぐ場合は、在庫の仕上げと板厚に合わせられるかも検討してください。
アルミは厚板まで切れる会社を選ぶ
アルミはレーザーで切りにくい材質とされてきましたが、ファイバー機の普及で厚い板を切る会社も増えています。公式の記載は次のとおりです。
- ミワレーザー: アルミは板厚25mmまでレーザー切断が可能。A5052・A1100・A2017・A6061・A5083に対応
- かねよし: アルミは30mmまで
- レーザーテック: アルミの5000番台は12ミリ厚まで。1000番台・2000番台は板厚6.0ミリまで加工実績
- 岩代工業: アルミ0.2mm〜10mm
- 株式会社マツダ: ファイバーレーザー溶接でアルミは0.1mmから溶接
アルミは合金の番手によって切れる板厚が変わる例もあります。図面にはA5052のように番手まで書いてください。
アルミの部品を後で溶接する場合は、溶接まで受ける会社にまとめると段取りが減ります。ミワレーザーはファイバーレーザー溶接機(板厚4ミリまで)を持ち、切断から溶接まで社内で行います。
銅・真鍮は反射に強い設備を持つ会社へ
銅や真鍮は光をよく反射するため、設備によっては切れません。銅・真鍮の切断を公式に打ち出している会社は次のとおりです。
| 会社 | 銅・真鍮についての公式の記載 |
|---|---|
| レーザマックス | 銅・真鍮・純アルミ用にOPTIPLEX 3015 DDL(4.0kW)とFIBER III(10.0kW)を持つ |
| レーザーテック | 銅8mm、真鍮8mm。無酸素銅(C1020)板厚0.5mmの精密切断の事例 |
| かねよし | 銅10mm、真鍮12mm(トップページの別の欄では真鍮15mm) |
| ミワレーザー | 銅0.1〜12mm(C1020・C1100)、真鍮0.1〜18mm(C2801・C2680) |
| 共栄精機 | 銅6t、真鍮12t |
| イコマ工業 | 銅・真鍮のレーザー加工を行う |
一方、キョウシャーは銅を加工できない材質としています。銅の部品は、銅の切断を明記している会社に絞って頼んでください。
銅は電気を流す部品に使われることが多く、切断面の酸化やバリが性能に響く場合があります。バスバーのような部品は、切断面と穴の精度の要求を図面に書いて相談してください。
チタン・ハステロイ・インコネルなどの特殊鋼
チタンや耐熱合金は材料が高価で、切断に失敗したときの損失が大きい材質です。扱いを公式に書いている会社は次のとおりです。
- 都ステンレス工業: ハステロイ、インコネル、チタン、タンタルなどの切断実績を一覧で公開。特殊鋼・難削材の小ロットを歓迎
- レーザックス: ステンレス・アルミ・銅・ニッケル・チタン・タングステン・インコネル・タンタル・モリブデン・プラチナ等の受託加工
- 柳田製作所: 加工できる材質に鉄・ステンレス・アルミ・真鍮・銅・チタン
- レーザーテック: 初めて切る材質、高価な材質、入手困難な材質は、加工に失敗した場合の弁償はできないと明記
高価な材料を支給して切ってもらう場合は、失敗時の扱いを事前に確かめてください。可能なら端材で試し切りを頼み、切断面を確かめてから本番に進むと安心です。
レーザーで切れない、または頼めない材質
金属でも、レーザーで加工できないと公式に書かれている材質があります。
- キョウシャー: 銅・ガラス等は加工不可
- こだま製作所: 金、銀、ガラス(石英ガラスを除く)、石、塩ビシートはレーザー加工不可
- tukuru(マーキング): ガラス、紙、木材、シリコン樹脂は非対応
材質が会社の一覧に無い場合も、断られるとは限りません。シーエステックのように、小片を送れば加工できるかを無料で試す会社もあります。
材料を支給して切ってもらうとき
手元にある材料や、特殊な材料を支給して切ってもらうこともできます。支給材について公式に書かれている内容は次のとおりです。
- かねよし: 支給材の加工にも対応
- 柳田製作所: 支給材の加工ができる。加工できないものもあるので材質・板厚を問い合わせる
- レーザーテック(レーザー超特急24): 支給材の現物寸法を確認してからデータを作るため、納期が半日〜1日程度長くなる可能性がある
- レーザーテック: 初めて切る材質、高価な材質、入手困難な材質は、失敗した場合の弁償ができない
支給材は、材料を探す手間が省ける一方で、日数と失敗時の扱いに注意が要ります。予備の材料を1枚多く送れるなら、その旨も伝えてください。
材質で迷ったときの相談の仕方
材質が決まっていない段階でも、用途を伝えれば加工会社から提案を受けられます。次の情報を添えてください。
- 使う環境(屋外、水回り、高温など)
- 求める性能(錆びにくさ、軽さ、電気の流れやすさ)
- 見た目の要求(研磨面を見せるか)
- 板厚と数量、希望日
材質を変えると、切れる会社も日数も変わります。候補の材質を2つ程度に絞ってから、それぞれで見積を取ると比べやすくなります。
切断の後に溶接やマーキングをする部品は、その工程で使える材質かどうかも合わせて聞いてください。株式会社マツダのように、30種類以上の異材の組合せで溶接の実績を出している会社もあります。
この記事に出てくる会社
- シーエステック株式会社金属箔の微細加工
- イコマ工業株式会社薄板の切断と溶接を一貫
- 岩代工業株式会社薄板の切断から組立まで
- 株式会社かねよし首都圏で当日切断
- 有限会社こだま製作所極薄シムと微細溶接
- 株式会社共栄精機料金表を見て急ぎで
- 株式会社キョウシャー大判の切断を1個から
- 株式会社レーザーテックステンレス薄板の急ぎ
- 株式会社レーザマックス高反射材の切断
- 株式会社レーザックス溶接・穴あけの試作
- 株式会社マツダ極薄ステンレスの溶接
- 株式会社ミワレーザー極薄から厚板まで1社で
参照元
よくある質問
アルミは何mmまでレーザーで切れますか?
会社によります。公式の表記では、かねよしが30mm、ミワレーザーが25mm、レーザーテックが5000番台で12ミリ厚、岩代工業が0.2〜10mm、イコマ工業がt0.3〜8.0です。
銅をレーザーで切ってもらえますか?
切れる会社があります。かねよし(銅10mm)、レーザーテック(銅8mm)、共栄精機(銅6t)、レーザマックス(銅・真鍮・純アルミ用の設備)などです。キョウシャーは銅を加工不可としています。
ヘアラインや鏡面のステンレスに傷をつけずに切れますか?
保護フィルム(SPV)を貼ったまま切る会社があります。レーザーテック、かねよし、ミワレーザーが公式にSPVを貼ったままの切断に対応すると書いています。
【用途別】金属のレーザー加工会社おすすめ3選
ステンレス・アルミの薄板を、1個から急いで精密に切るなら
株式会社レーザーテック
切断の9割がステンレスとアルミ。SUS0.05mmから、見積15分以内、最短1時間
大阪市西淀川区で2002年に創業したレーザー加工一筋の会社で、切断の70%がステンレス、20%がアルミと公式に書いている。TRUMPF製ファイバーレーザー加工機2台で、ステンレスは0.05〜18mm、A5052は12mmまで切る。板厚1.0mm以下の切断に特化した大和田工場を持ち、研磨品はSPVを貼ったまま切断する。見積は原則15分以内(17時まで)、材料とデータがあれば最短1時間で切断できると記載する。
鋼板の厚板を、大板から数日で切り出すなら
坂元鋼材株式会社
24kWのレーザーで0.5〜40mm、2,500×6,100mm。最短当日・原則2日以内
大阪市西区九条南の鋼板加工センターで、レーザー切断・ガス溶断・プラズマ切断を一つの拠点で行う。TRUMPF製の24kW高出力機で0.5mmから40mm厚の鋼板まで切り、加工サイズは2,500mm×6,100mmまで。依頼の日のうちにCADを組み、最短当日・原則2日以内にレーザー加工すると記載する。SS400は3.2〜150mmを常時在庫し、最短1営業日で加工できる。
レーザーで溶接・穴あけができるか、1個の試作で確かめるなら
株式会社レーザックス
1984年からの受託レーザー加工。CO2・ファイバー・ディスク・電子ビームを使い分け
愛知県知立市の会社で、1984年のCO2レーザー導入からレーザーの受託加工を続けている。CO2、ファイバー、ディスクレーザーと電子ビーム加工機を持ち、切断・溶接・穴あけ・マーキングや肉盛りなどの表面処理を受ける。10kWのマルチモードファイバー、2kWのシングルモード、Laserdyne 795+などをそろえ、数量1個からの試作加工から中量産まで対応する。
自分の部品に合うレーザー加工会社を、無料で相談する
加工の種類(切断・溶接・マーキング・微細加工)、材質と板厚、おおよその大きさ、必要な数量と希望納期、図面データの有無(DXF・DWG・PDF・Illustrator・手書き)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。