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3Dマシンビジョンの仕様の読み方|視野・繰り返し精度・計測時間・点数を比べるときの注意【2026年版】

3Dカメラや3Dセンサの仕様表には、視野(計測範囲)、計測距離、繰り返し精度、計測時間、点数などが並びます。掲載会社の公式表記を例に、数字の読み方と比べ方の注意点をまとめました。

公開 2026年10月1日

3Dマシンビジョンの仕様表は、会社ごとに書き方が違います。同じ精度でも、測る条件が違えば比べられません。

この記事では、掲載会社が公式に出している数字を例に、仕様の読み方を整理します。

仕様表に出てくる主な項目

まず、よく出てくる項目と意味をそろえておきます。会社によって呼び名が少しずつ違います。

項目意味公式表記の例
視野・計測範囲一度に測れる縦・横・高さキヤノン RV1100: 最大1,160×1,160×600mm
計測距離・ワーキングディスタンスカメラからワークまでの距離キヤノン RV300: 約500〜600mm
繰り返し精度同じ物を何度も測ったときのばらつきキーエンス 3D Vision: 1μm
計測時間・検査間隔1回の計測にかかる時間キーエンス 3D Vision: 検査間隔0.6秒
点数・解像度1回に取れる点の数ファナック 3DV/400: 1104×950点
高さ分解能見分けられる高さの最小の差OptoComb: 1μm

この中で一番誤解が多いのが精度です。繰り返し精度は同じ条件でのばらつきで、正しい寸法とのずれ(絶対精度)とは別物です。

視野と精度は、たいてい引き換えになる

同じシリーズでも、視野が広い型式ほど精度の数字は大きくなります。キヤノンのRVシリーズは、この関係が仕様表でよく分かります。

型式計測範囲(縦×横×高さ)繰り返し精度計測距離
RV300最大340×340×100mm±0.1mm約500〜600mm
RV500最大540×540×200mm±0.15mm約800〜1,000mm
RV1100最大1,160×1,160×600mm±0.5mm約1,750〜2,350mm
RV1100+範囲拡大最大1,300×1,300×900mm±1.0mm約1,750〜2,650mm

部品箱の大きさに対して視野が大きすぎる型式を選ぶと、精度を損します。箱の内寸と、必要な精度の両方から型式を決めてください。

精度の数字には、必ず条件がある

精度の数字は、どの部品を、どんな条件で測ったかで変わります。条件の注記まで読んでください。

  • キヤノンは、計測時間・計測周期を当社所定の評価部品及び計測条件に基づく値と注記し、部品認識時の撮影モードは速度優先・密度×1としている(繰り返し精度の欄には条件の注記がない)
  • Mech-Mindは、Z方向一点繰り返し精度(σ)とVDI/VDE測定精度という2種類の指標を表に載せている
  • キーエンスのLJ-S8000は、最速撮像0.2secと繰り返し精度0.3μmを並べて書いている

σ(標準偏差)で書くか、±で書くかでも数字の意味が変わります。比べるときは、同じ指標どうしで並べてください。

計測時間は、ロボットやラインの周期と合わせて見る

計測時間が短くても、認識や経路の計算を含めた全体の時間が長ければ、タクトに間に合いません。全体の処理時間を書いている会社もあります。

会社・製品時間の書き方(公式記載)
キヤノン RV300・RV500計測時間1.6秒〜、計測周期2.2秒〜
キヤノン RV1100計測時間1.8秒〜、計測周期2.3秒〜
東京貿易テクノシステム CoPick3D1.5秒以内の全体処理時間
キーエンス 3D Vision検査間隔0.6秒
キーエンス WI-5000最大10×10mmの面を0.13秒

Mujinは、一度の撮像で複数ワークの動作計画を立て、停止時間のない動作をうたっています。カメラ単体の速さだけでなく、ソフトの工夫も周期に効きます。

環境の条件も仕様のうち

工場では、外の光、油のミスト、粉じんが計測を邪魔します。環境への強さも仕様表で確かめてください。

  • Mech-Mind: 120,000lx以上の外乱光に対応し、遮光パネル不要と記載。IP65保護レベル
  • キヤノン RVシリーズ: ファンレスでオイルミスト環境に対応(IP54相当)
  • 三菱電機 MELFA-3D Vision 3.0: カメラ本体のオイルミスト環境への対応(IP65/IP67)
  • ニコン: 搭載LED光源やシャッタースピードの関係で外乱光の影響は受けにくいとFAQで回答

窓の近くや天井照明の真下に置く場合は、外乱光の条件をメーカーに伝えてください。保護等級は設置場所の油や水の飛び方と合わせて選びます。

点数と解像度は、細かな形を拾えるかの目安

1回に取れる点の数が多いほど、小さな凹凸や細い部分を拾いやすくなります。ただし点が多いと、処理の時間も長くなります。

会社・製品点数・解像度の書き方(公式記載)
ファナック 3DV/703次元点数 870×950点、計測範囲55×70×56mm(W1×D1×H)
ファナック 3DV/16003次元点数 1104×960点、計測範囲1245×1178×2000mm(W1×D1×H)
日立オートメーション100万点以上の点群を1秒未満で撮像する例
キーエンス LJ-X80003200point/profile
OptoComb XL1秒間に125万点の高速測定

同じ点数でも、視野が広ければ1点あたりの間隔は粗くなります。ファナックの3DV/70と3DV/1600は点数が近い一方、計測範囲は大きく違います。

点の間隔は、視野の幅を点数で割ると目安がつかめます。掴む部分や検査したい傷の大きさと比べてください。

数字が書かれていない項目の扱い

製品ページに視野や精度の数字がない製品も少なくありません。その場合の確かめ方を決めておくと、比べ方がぶれません。

  • キーエンスの3D VGRシリーズは、詳細をカタログ(PDF)で案内
  • YOODSのYCAM3Dは、仕様の追加と変更を資料で案内
  • ニコンのロボットビジョンシステムは、カタログをダウンロードで提供
  • 三菱電機のMELFA-3D Vision 3.0は、製品仕様をカタログで案内

数字が手元にそろわない製品は、比較表では空欄のままにしておくのが安全です。推測で埋めると、あとで大きな食い違いになります。

数字を比べる前にそろえておくこと

仕様の比較を頼りにするなら、自社の条件を先に数字にしておくと、問い合わせが速くなります。

  1. ワークの最大寸法と、置かれる範囲(箱やパレットの内寸)
  2. 必要な精度と、それが位置の精度か寸法の精度か
  3. 1サイクルにかけられる時間
  4. ワークの材質と色、表面の光り方
  5. 設置場所の明るさ、油・粉じん・温度

この5つを書いて問い合わせれば、型式の候補を絞った答えが返ってきやすくなります。数字が合っても、最後は実物で確かめてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

繰り返し精度と絶対精度はどう違いますか?

繰り返し精度は同じ物を同じ条件で何度測ったときのばらつきで、絶対精度は正しい寸法とのずれです。キヤノンのRVシリーズは、計測時間・計測周期について同社所定の評価部品と計測条件での値と注記しています。数字にどんな条件が付いているかを確かめてください。

視野が広い機種を選べば安心ですか?

必要以上に広いと精度が下がります。キヤノンのRVシリーズでは、RV300(最大340×340×100mm)が±0.1mm、RV1100(最大1,160×1,160×600mm)が±0.5mmです。箱やワークの大きさに合った型式を選んでください。

仕様に精度の数字がない製品はどうすればいいですか?

カタログや仕様資料を取り寄せるか、実物で評価してください。キーエンスの3D VGRシリーズやYOODSのYCAM3Dは、数値をカタログや仕様資料で案内しています。

【用途別】3Dマシンビジョンメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

ラインの中で外観と寸法を3Dで全数検査するなら

株式会社キーエンス

3D Visionシリーズは視野60mm・繰り返し精度1μm。光切断の3Dセンサや白色干渉まで同じ窓口で比べられる

3次元画像処理システム「3D Vision シリーズ」は4投光プロジェクターとテレセントリックレンズで視野全域を検査し、視野60mm、検査間隔0.6秒、繰り返し精度1μmと製品ページに記載。光切断法の3Dセンサ(LJ-S8000は繰り返し精度0.3μm)や白色干渉3D変位計WI-5000(繰り返し精度0.1μm)もそろえ、無料テスト機貸出しサービスを案内している。

株式会社キーエンスの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

部品箱に入った部品をロボットで次工程へ供給するなら

キヤノン株式会社

RVシリーズは計測範囲と繰り返し精度を型式ごとに公開。部品の大きさで3機種から選べる

部品箱内の部品のピックアップに向けて開発された3DマシンビジョンRVシリーズ(RV300・RV500・RV1100)。測定方法はパターン投影法、認識方式は3D CADマッチングで、RV300は計測範囲最大340×340×100mm・繰り返し精度±0.1mm、RV1100は最大1,160×1,160×600mm・±0.5mmと仕様表に記載。干渉チェックやキャリブレーションの機能を持ち、IP54相当。

キヤノン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

どの方式が合うか、実際のワークを測ってから決めるなら

株式会社リンクス

4メーカー約60製品から計測方式を選ぶ無料の計測評価サービス。窓口はマシンビジョンの技術者

3Dセンサー計測評価サービスでは、送ったサンプルワークを4メーカー約60製品の中から計測手法を選んで評価し、結果をスライド形式で報告すると公式に記載。Gocator(レーザー光切断・縞投影・共焦点ライン)や3Dラインスキャンカメラ3DPIXAを扱い、Gocatorのデモ機は無償で貸し出す。東京オフィスではロボットや1軸ステージでの撮影も可能。

株式会社リンクスの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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